再エネ特措法とは?最新改正のポイントとFIT/FIP制度の仕組みを解説

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再エネ特措法とは?最新改正のポイントとFIT/FIP制度の仕組みを解説

再エネ特措法とは、再生可能エネルギーの普及を目的とした法律で、FIT制度やFIP制度の根幹をなしています。

この記事では、法律の概要から、電力の買取制度であるFIT・FIP制度の仕組み、そして事業者にとって重要な2024年施行の再エネ特措法の改正ポイントまで、網羅的に解説します。

Contents

再エネ特措法とは?再生可能エネルギーの普及を目指す法律

再エネ特措法の正式名称は「再生可能エネルギー電気の利用の促進に関する特別措置法」です。

この法律の目的は、太陽光や風力といった再生可能エネルギー源を用いて発電された電気を、電力会社が有利な条件で買い取ることを義務付けることで、再生可能エネルギーの導入を拡大させることにあります。

2012年に成立し、日本のエネルギー政策において中心的な役割を担ってきました。

対象となる再生可能エネルギーの定義や制度の詳細は、資源エネルギー庁が管轄しており、社会情勢の変化に応じて改正が重ねられています。

法律が制定された背景と日本のエネルギー事情

再エネ特措法が成立した背景には、2011年の東日本大震災によるエネルギー需給構造の大きな変化があります。

この出来事をきっかけに、特定のエネルギー源に依存するリスクが浮き彫りとなり、エネルギー自給率の向上が国家的な課題となりました。

法律の目的は、再生可能エネルギーの導入を促進することで、エネルギーの安定供給を確保するとともに、温室効果ガスの排出量を削減し、地球温暖化対策に貢献することにあります。

このような背景から、再生可能エネルギーの普及を強力に後押しする法律として成立しました。

法律の対象となる再生可能エネルギーの種類

再エネ特措法の対象となる再生可能エネルギーは、法律および関連法令で具体的に定められています。

資源エネルギー庁によると、対象となるのは「太陽光」「風力」「水力」「地熱」「バイオマス」の5種類です。

これらのエネルギー源は、石油や石炭などの化石燃料とは異なり、自然界に常に存在するため枯渇する心配が少なく、発電時に二酸化炭素をほとんど排出しないという特徴があります。

法律の正式名称にもある通り、これらの再生可能エネルギーから作られた電気の利用を促進することが、この法律の核心です。

再エネ特措法の根幹をなすFIT制度とFIP制度の仕組み

再エネ特措法の根幹をなすFIT制度とFIP制度の仕組み

再エネ特措法の中核をなすのが、再生可能エネルギーで発電した電気の買取制度である「FIT制度」と「FIP制度」です。

これらの制度は、発電事業者の収益を安定させ、再生可能エネルギー分野への投資を促進することを目的としています。

事業者は、どちらかの制度を利用して電力会社に電気を売ることができ、その買い取りにかかる費用は、電気を利用する国民全体で負担する「再エネ賦課金」によって賄われています。

これにより、再生可能エネルギーの導入拡大を社会全体で支える仕組みが構築されています。

【FIT制度】国が定めた価格で電力を買い取る仕組み

FIT制度(Feed-in Tariff)は、再生可能エネルギーで発電した電気を、国が定めた固定価格で一定期間、電力会社が買い取ることを保証する制度です。

価格は発電設備の種類や規模に応じて、年度ごとに決定されます。

事業者は、認定を受けた時点での買取価格が長期間(例えば太陽光発電10kW以上の場合は20年間)維持されるため、売電収入の見通しが立てやすくなります。

この収益の安定性が、金融機関からの融資を受けやすくするなど、事業への参入障壁を下げる大きな要因となり、日本の再生可能エネルギー普及に大きく貢献しました。

【FIP制度】市場価格にプレミアム額を上乗せする仕組み

FIP制度(Feed-in Premium)は、再生可能エネルギーで発電した電気を、事業者が卸電力市場などで売電した際に、その市場価格に加えて一定の補助額(プレミアム)を上乗せして交付する制度です。

FIT制度が固定価格での買取を保証するのに対し、FIP制度は市場価格に連動します。

そのため、事業者は電力需要が高い時間帯に売電するなど、市場を意識した発電が求められます。

この制度は、再生可能エネルギーを自立した電源として電力市場へ統合し、競争力を高めることを目的として導入されました。

FIT制度とFIP制度の主な違いを比較

FIT制度とFIP制度の最も大きな違いは、売電価格の決まり方にあります。

FIT制度は、あらかじめ国が定めた「固定価格」で長期間買い取られるため、事業者の収入は市場価格の変動に左右されず安定します。

一方、FIP制度は、変動する「市場価格」に「プレミアム(補助額)」が上乗せされる仕組みです。

そのため、FIP制度を活用する事業者は、市場価格を意識してより高い価格で売電する工夫が求められます。

また、FIT制度が電力会社への売電が基本であるのに対し、FIP制度では事業者が卸電力市場などで自ら売電先を見つける必要があります。

FIP制度とFIT制度の違いは?どちらがお得?仕組みやメリットをわかりやすく解説

制度の財源となる「再エネ賦課金」と電気料金への影響

FIT制度やFIP制度によって電力会社が再生可能エネルギーを買い取るための費用は、「再生可能エネルギー発電促進賦課金(再エネ賦課金)」として、電気を利用するすべての国民や企業が負担しています。

この賦課金は、毎月の電気料金に上乗せされる形で徴収されます。

単価は国が年度ごとに決定し、電気の使用量に応じて負担額が変わる仕組みです。

再生可能エネルギーの導入量が増えるほど、電力会社全体の買取費用も増加するため、再エネ賦課金の単価も変動します。

これにより、社会全体で再生可能エネルギーの普及を支える構造となっています。

【2024年4月施行】改正再エネ特措法の主な変更点

【2024年4月施行】改正再エネ特措法の主な変更点

2024年4月1日に施行された改正再エネ特措法では、再生可能エネルギー事業の長期安定的な運営と地域との共生を目的とした、事業規律の強化に関する変更が加えられました。

これまでの普及拡大フェーズから、地域に根差した責任ある事業運営を求めるフェーズへと移行したことを示す改正です。

主な変更点として、事業計画の認定要件に「地域住民への事前説明会の実施」が追加されたほか、「太陽光パネルの廃棄費用積立の義務化」や「法令違反事業者への交付金停止措置」などが盛り込まれました。

地域住民への事前説明会が認定要件に

2024年4月の法改正により、一定規模以上の発電事業者は、事業計画の認定を受けるための新たな要件として、発電所の設置場所の周辺住民に対して事前説明会を開催することが義務付けられました。

これは、事業計画の透明性を高め、地域住民の理解を得ながら事業を進めることを目的としています。

説明会では、事業概要や環境への影響、安全対策などを丁寧に説明する必要があります。

この要件は、新規の事業認定だけでなく、特定の変更認定を受ける際にも適用されるため、事業者にとっては計画の初期段階から地域とのコミュニケーションが不可欠になりました。

太陽光パネルの適正な廃棄費用の積立義務化

今回の法改正で、10kW以上の太陽光発電事業者を対象に、将来の設備廃棄にかかる費用を外部機関に積み立てることが義務化されました。

これは、FIT制度の買取期間が終了した後に、使用済み太陽光パネルが不法投棄されるのを防ぎ、適正な廃棄処理を確実に行うための措置です。

積立は、原則として電力会社が事業者へ支払う買取料金から天引きする形で行われます。

この義務により、事業者は発電設備の導入から廃棄まで、全ライフサイクルにわたって責任を持つことが明確に規定されました。

法令違反事業者に対する交付金の一時停止措置

改正法では、再生可能エネルギー事業者が他の法令に違反した場合、FIT/FIP制度に基づく交付金を一時的に停止できる措置が導入されました。

例えば、農地法や森林法といった土地利用に関する法令の規定を守らず、不正に開発行為を行った場合などが対象となります。

これは、再生可能エネルギー事業が関連する法律を遵守し、適正に運営されることを強く促すための罰則強化です。

この措置により、事業者は自らの事業だけでなく、関連するあらゆる法令を遵守する意識をより一層高める必要があります。

事業者の責任と義務の明確化(許認可の厳格化など)

2024年の改正では、これまでも求められていた事業者の責任と義務が、より一層明確化されました。

具体的には、関係法令の遵守や、発電設備の適切な保守点検・維持管理を行うことが、事業計画認定の基準として厳格に運用されるようになります。

これは、設備の不備による事故を防ぎ、長期にわたって安定的に発電を続けることを促すものです。

許認可の手続きも、事業の実現性や地域との調整状況などをより厳しく審査する方向に変更されており、事業者にはこれまで以上に計画的で責任ある事業運営が求められます。

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再エネ特措法が事業者や国民に与える影響

再エネ特措法が事業者や国民に与える影響

再エネ特措法は、再生可能エネルギーの導入を促進する一方で、事業者と国民の双方にさまざまな影響を与えています。

事業者にとっては、FIT/FIP制度による収益の安定化というメリットがある反面、法改正による事業規律の強化という注意点も生じます。

国民にとっては、クリーンなエネルギーが普及するメリットを享受できる一方で、その費用を賦課金という形で負担するという側面も持ち合わせています。

このように、法律はそれぞれの立場に対して異なる影響を及ぼしています。

事業者が享受できるメリット(投資回収の見通しやすさ)

事業者にとって再エネ特措法がもたらす最大のメリットは、FIT制度やFIP制度によって売電収入の長期的な見通しが立てやすくなる点です。

特にFIT制度では、国が定めた固定価格で20年間といった長期間にわたり電力を買い取ってもらえるため、収益が安定します。

この安定性は、事業計画の策定や金融機関からの資金調達を容易にし、再生可能エネルギー事業への新規参入や設備投資を後押しします。

結果として、初期投資が大きい再生可能エネルギー設備の導入であっても、投資回収の計画が立てやすくなります。

事業者が注意すべきデメリット(事業規律の強化)

一方で、事業者が注意すべき点は、度重なる法改正による事業規律の強化です。

特に2024年の改正では、地域住民への説明会実施や廃棄費用の積立が義務化されるなど、事業者に求められる責任とコストが増加しました。

また、関連法令に違反した場合には交付金が停止されるなど、ペナルティも厳格化されています。

これらの規制強化は、事業の安定運営と地域の信頼を得るために必要なものですが、事業者にとっては遵守すべきルールが増え、事業運営のハードルが上がった側面もあります。

国民(消費者)のメリットと負担(再エネ普及と賦課金)

国民にとってのメリットは、再生可能エネルギーの普及によって、環境負荷の少ないクリーンな電力供給が増えることです。

これにより、日本のエネルギー自給率向上や、地球温暖化対策への貢献が期待できます。

その一方で、制度を支えるための費用を再エネ賦課金として、毎月の電気料金の一部で負担しています。

再生可能エネルギーの導入量が増加するにつれて賦課金の総額も増える傾向にあるため、制度の恩恵と負担の両方を理解しておくことが重要です。

再エネ特措法に関するよくある質問

ここでは、再エネ特措法や関連制度について頻繁に寄せられる質問とその回答をまとめました。

Q1. 再エネ特措法に基づくFIT制度はいつまで続きますか?

FIT制度の新規認定は、発電コストの低下などを背景に順次縮小・終了し、FIP制度への移行が進んでいます。

ただし、一度認定を受けた事業については、定められた買取期間が満了するまで、認定時の価格と条件が適用されます。

Q2. すでにFIT認定を受けていますが、FIP制度に移行する必要はありますか?

FIT認定を受けている事業者が、必ずFIP制度へ移行しなければならない義務はありません。

買取期間が満了するまで、FIT制度を継続できます。

ただし、事業者の任意で買取期間の途中にFIP制度へ移行することも可能です。

その際は、市場価格の動向などを踏まえた慎重な検討が求められます。

Q3. 改正された法律は、家庭用の太陽光発電にも影響しますか?

2024年の法改正による主な規制強化(説明会や廃棄費用積立の義務化など)は、主に10kW以上の事業用太陽光発電が対象です。

そのため、多くの家庭用太陽光発電(10kW未満)への直接的な影響は限定的です。

ただし、適切な廃棄処理の責任などはすべての所有者に求められます。

まとめ

再エネ特措法は、再生可能エネルギーの普及を促進するための日本のエネルギー政策の根幹をなす法律です。

中心的な制度であるFIT制度とFIP制度は、事業者の投資を後押しする一方、その費用は国民全体の再エネ賦課金によって支えられています。

2024年4月の法改正では、地域との共生や事業の適正化を目的とした規制が強化されました。

これにより、事業者はより一層の責任ある運営が求められるようになっています。

事業者、国民双方にとって、この法律の仕組みと最新動向を正しく理解することが不可欠です。

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この記事の監修者

監修 曽山

ソエルク運営責任者 曽山

  • ・再エネ業界13年以上
  • ・相談実績10,000人以上
  • ・太陽光発電アドバイザー
産業用太陽光のご相談を数多く受けてきた実務経験をもとに、この記事を監修しています。ソエルクでは、条件整理のうえで地域や目的に合う会社を中立的な立場でご紹介します。