- ・業種別・設備容量別にわかる電気代削減額と投資回収年数の目安
- ・補助金や税制優遇で投資回収期間を大幅に短縮する仕組み
- ・シミュレーション結果を正しく理解するために押さえるべき注意点
- ・初期投資0円で太陽光発電を導入できるPPAモデルという選択肢
「太陽光を入れたら電気代はどれくらい下がるの?」──そんな疑問に、業種別・容量別でまとめて答えます。
このページでは、自家消費型太陽光発電を導入した場合の年間電気代削減額・20年間の総削減額・投資回収年数を、製造業・物流倉庫・事務所・小売の4業種ごとに一覧にまとめています(2026年最新版)。倉庫の屋根への設置については倉庫に設置する太陽光発電で解説しています。
Contents
計算の前提条件
| 項目 | 設定値 | 補足 |
|---|---|---|
| 年間発電量の目安 | 1kWあたり1,000kWh | 関東エリア標準値 |
| パネル劣化率 | 年0.5% | 20年間累計発電量:1kWあたり約19,060kWh |
| 概算設置費用 | 20万円/kW | 規模・屋根形状・機器仕様により変動あり |
| 補助金あり試算 | 設置費用の40%削減 | 国・自治体補助金の最大活用を想定した目安 |
電力単価と自家消費率は業種ごとに異なります。各表の見出しに記載した値を使用しています。高圧契約の料金体系は高圧受電とはをご覧ください。
① 製造業・工場
電力単価:20円/kWh(高圧契約) 自家消費率:70%
| 容量 | 施設規模の目安 | 年間 削減額 |
20年間の 総削減額※ |
概算 設置費用 |
回収年数 (補助金なし) |
回収年数 (補助金40%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10kW | 小規模作業場・事業所の一部 | 14万円 | 約267万円 | 200万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 30kW | 小〜中規模工場・作業場 | 42万円 | 約801万円 | 600万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 50kW | 中規模工場 | 70万円 | 約1,334万円 | 1,000万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 100kW | 大型工場・主要製造ライン | 140万円 | 約2,668万円 | 2,000万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 150kW | 大型工場 | 210万円 | 約4,003万円 | 3,000万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 200kW | 大規模工場 | 280万円 | 約5,337万円 | 4,000万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 300kW | 大規模製造拠点 | 420万円 | 約8,005万円 | 6,000万円 | 14.3年 | 8.6年 |
| 500kW | 超大型製造拠点 | 700万円 | 約1億3,342万円 | 1億円 | 14.3年 | 8.6年 |
② 物流・倉庫
電力単価:20円/kWh(高圧契約) 自家消費率:40%
※倉庫・物流施設は照明・空調の稼働時間が工場より短く、自家消費率は低めに設定。蓄電池との併用で自家消費率の向上が見込めます。
| 容量 | 施設規模の目安 | 年間 削減額 |
20年間の 総削減額※ |
概算 設置費用 |
回収年数 (補助金なし) |
回収年数 (補助金40%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10kW | 小規模倉庫 | 8万円 | 約152万円 | 200万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 30kW | 中規模倉庫 | 24万円 | 約457万円 | 600万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 50kW | 大型倉庫 | 40万円 | 約762万円 | 1,000万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 100kW | 物流センター(小〜中) | 80万円 | 約1,525万円 | 2,000万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 150kW | 中型物流センター | 120万円 | 約2,287万円 | 3,000万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 200kW | 大型物流センター | 160万円 | 約3,050万円 | 4,000万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 300kW | 大型物流拠点 | 240万円 | 約4,574万円 | 6,000万円 | 25.0年 | 15.0年 |
| 500kW | 超大型物流拠点 | 400万円 | 約7,624万円 | 1億円 | 25.0年 | 15.0年 |
③ 事務所・オフィス
電力単価:25円/kWh(低圧契約) 自家消費率:50%
| 容量 | 施設規模の目安 | 年間 削減額 |
20年間の 総削減額※ |
概算 設置費用 |
回収年数 (補助金なし) |
回収年数 (補助金40%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10kW | 小規模オフィス・テナントビル | 12.5万円 | 約238万円 | 200万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 30kW | 中規模オフィスビル | 37.5万円 | 約715万円 | 600万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 50kW | 中〜大規模オフィスビル | 62.5万円 | 約1,191万円 | 1,000万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 100kW | 大型オフィスビル | 125万円 | 約2,383万円 | 2,000万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 150kW | 大型複合オフィス | 187.5万円 | 約3,574万円 | 3,000万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 200kW | 超大型オフィスビル | 250万円 | 約4,765万円 | 4,000万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 300kW | 大型ビル・複数拠点合算 | 375万円 | 約7,148万円 | 6,000万円 | 16.0年 | 9.6年 |
| 500kW | 大規模複合施設 | 625万円 | 約1億1,913万円 | 1億円 | 16.0年 | 9.6年 |
④ 小売・スーパー
電力単価:25円/kWh(低圧契約) 自家消費率:65%
※小売・スーパーは冷蔵ケース・照明・空調の終日稼働により自家消費率が高く、4業種の中で投資回収が最も早い業種です。
| 容量 | 施設規模の目安 | 年間 削減額 |
20年間の 総削減額※ |
概算 設置費用 |
回収年数 (補助金なし) |
回収年数 (補助金40%) |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 10kW | 小型店舗・コンビニ規模 | 16.25万円 | 約310万円 | 200万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 30kW | 中規模スーパー・ドラッグストア | 48.75万円 | 約929万円 | 600万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 50kW | 大型スーパー | 81.25万円 | 約1,549万円 | 1,000万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 100kW | 大型ショッピング施設 | 162.5万円 | 約3,097万円 | 2,000万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 150kW | 大型SC・量販店 | 243.75万円 | 約4,646万円 | 3,000万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 200kW | 大規模量販店 | 325万円 | 約6,195万円 | 4,000万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 300kW | 大型複合商業施設 | 487.5万円 | 約9,292万円 | 6,000万円 | 12.3年 | 7.4年 |
| 500kW | 超大型モール・大規模商業拠点 | 812.5万円 | 約1億5,486万円 | 1億円 | 12.3年 | 7.4年 |
この早見表の見方・注意事項
回収年数が容量によらず一定な理由
設置費用も年間削減額もkW数に比例して増えるため、同じ業種・電力単価・自家消費率であれば回収年数はkW規模によらず一定になります。実際には大容量ほど設置単価が下がるケースが多く、大規模設備では記載より有利な回収期間になることがあります。投資回収年数の考え方と計算方法は投資回収期間とはで解説しています。
試算はあくまで目安です
- 実際の削減額は、電力使用のパターン・時間帯・季節・契約種別により変動します
- 電力単価は2026年時点の参考値です。今後の電気料金の変動は考慮していません
- 設置費用は屋根形状・構造・既存設備の状況・使用機器により大きく変わります
- 補助金は国・自治体の制度ごとに要件・金額が異なります。最新情報は各施工会社にご確認ください
※20年間の総削減額は、年0.5%のパネル劣化を考慮した20年間累計発電量(1kWあたり約19,060kWh)をもとに算出しています。
シミュレーション通りにならないリスクに注意
産業用太陽光発電の予測結果はあくまで理想的な条件下での目安であり、実際には想定通りにならないリスクが存在します。実際に導入した工場・倉庫・商業施設の削減実績は産業用太陽光発電の導入事例で確認できます。
主な要因として、梅雨や台風といった天候変動による日射量の不足や、年月の経過に伴うパネルの経年劣化による発電量の低下が挙げられます。
また、所有している建物の屋根の形状や方位によっては、太陽光発電に不向きな設置場所となり、期待した効果を得られないこともあります。
より正確な投資回収年数を把握するためには、自社の環境に合わせた詳細な設置費用シュミレーションを受ける必要があります。設置費用の内訳や相場は産業用太陽光発電の費用相場で解説しています。
発電量シミュレーションについては「発電量シミュレーションの計算方法と精度」で詳しく紹介しています。
自分の施設に合った試算を知りたい場合
電気使用量・屋根面積・設置環境をもとに、より精度の高い試算を複数の施工会社から無料で取得できます。下記は簡易シミュレーションになります。施工会社は産業用太陽光発電の業者一覧から地域別に探せます。
電気代削減額を10秒で試算する
- 設置費用
- —
- 補助金による削減
- ▲—
- 税額控除による軽減
- ▲—
- 実質負担額
- —
- 自家消費率:—(発電量のうち自社で消費する割合)
- 電力単価:—円/kWh。基本料金は削減対象に含みません
- 設備費用:—万円/kW(容量に応じた概算単価)
- 補助金:最大40%(自治体補助を併用した場合の想定)
- 税制:補助金控除後の取得価額に対して税額控除10%で試算
- 試算は目安であり、実際の効果を保証するものではありません
詳しい試算条件・注意事項はこちら
※税制は中小企業経営強化税制の「税額控除」で試算しています。補助金を受ける場合は圧縮記帳により取得価額が減額されるため、本試算では補助金控除後の取得価額に対して10%(資本金3,000万円超1億円以下は7%)を適用しています。適用には設備取得前の「経営力向上計画」の認定が必要で、控除額は法人税額の20%が上限です。
※もう一方の「即時償却」を選んだ場合、初年度の納税額は減りますが、翌年度以降の減価償却費がなくなるため、耐用年数を通算した納税総額は原則として変わりません。
※削減対象は電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金です(合計21.6円/kWhで試算)。基本料金(契約電力にかかる部分)は太陽光では原則削減されないため含みません。
※補助金は自治体補助を併用した場合の最大値(40%)で試算しています。国の主要制度(環境省ストレージパリティ達成支援事業)は4万円/kW(設置費のおおむね2〜3割に相当)が目安です。
※回収年数は「初期費用 ÷ 年間削減額」の単純計算です。維持管理費(O&M)・パワーコンディショナ交換費・保険・固定資産税は含みません。削減額は表示の自家消費率(工場70%等)を前提としており、実際の稼働で自家消費率が下回ると回収年数は延びます。
※補助金額は制度・地域・年度により変動し、公募での採択が前提です。
低圧・高圧・特別高圧、契約種別に関わらず全て対応しています。詳細は税理士にご確認ください。
初期投資なしの導入方法であるPPAモデル
設備の初期負担や維持管理費がネックになる場合、初期投資0円から始められるPPA(電力購入契約)モデルという導入方法もあります。
この仕組みでは、事業者が設備の費用やメンテナンスを全額負担し、企業は使用した電気の料金のみを支払います。
設備の管理業務から完全に解放されるため、担当者の業務効率化にも寄与します。
また、余った電力を売電するオプションを備えたサービスを活用すれば、さらなるメリットも期待できます。
自社にとって自己所有とPPAのどちらが適しているか、専門のサイトなどを通じて比較検討することが推奨されます。
法人の太陽光発電導入については「法人の太陽光発電導入の流れ」で詳しく紹介しています。