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太陽光発電のピークカットとは?過積載の仕組みと電気代削減メリット

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太陽光発電のピークカットとは?過積載の仕組みと電気代削減メリット

太陽光発電におけるピークカットとは、文脈によって2つの意味を持つ言葉です。

法人が電気代削減を目指す場合は「工場の屋根などで発電した電気を自家消費し、電力会社から購入する電力の最大値(ピーク)を抑えること」を指します。

一方、発電事業の文脈では、パワコンの容量以上に太陽光パネルを設置する「過積載」によって、上限を超えた発電量を抑制することを指します。

この記事では、それぞれの意味と仕組み、メリット・デメリットを解説します。

Contents

太陽光発電の「ピークカット」とは?目的によって異なる2つの意味を解説

太陽光発電におけるピークカットとは、目的によって2つの異なる意味で使われる専門用語です。

一つ目は、企業の電気代削減を目的として、電力使用量が最も多くなる時間帯に太陽光発電の電気を使うことで、電力会社からの購入電力量を抑える取り組みを指します。

二つ目は、太陽光発電の運用において、パワーコンディショナの容量以上に太陽光パネルを設置した際に、パワコンの定格出力を超える分の発電を抑制する制御のことです。

意味①【節電・法人向け】:電力使用量のピークを抑え電気代の基本料金を削減

法人向けの節電対策におけるピークカットとは、電力需要が最大になる時間帯の電力使用量を抑制し、電気の基本料金を下げる取り組みです。

高圧電力を契約している工場や商業施設などでは、年間で最も電力を使用した30分間の値(最大デマンド値)によって翌年1年間の基本料金が決定します。

日中の電力需要が高い時間帯に太陽光発電で発電した電気を自家消費することで、電力会社から購入する電力を減らし、この最大デマンド値を引き下げることが可能になります。

意味②【発電・運用向け】:過積載時に発電量をパワコンの上限で抑制

発電・運用におけるピークカットは、過積載の状態において、太陽光パネルの発電量がパワーコンディショナの変換能力の上限を超えた際に、超過分の発電を意図的に抑制することです。

過積載は、パワコンの定格出力よりも多くの太陽光パネルを設置する設計手法を指します。

これにより、日射量が少ない朝夕や曇天時でも発電量を増やせますが、快晴の昼間など発電量が最大になる時間帯には、パワコンの能力を超える電力が生まれるため、その分はカットされて実際の発電量には反映されません。

【電気代削減】太陽光の自家消費によるピークカットでデマンド料金を下げる仕組み

【電気代削減】太陽光の自家消費によるピークカットでデマンド料金を下げる仕組み

太陽光発電の自家消費を活用したピークカットとは、電気料金、特に基本料金部分であるデマンド料金を削減するための有効な手段です。

多くの法人が契約する高圧・特別高圧電力プランでは、電力使用量のピーク値が基本料金に直結します。

日中の電力需要が高まる時間帯に太陽光発電システムが発電した電力を自社施設で消費することで、電力会社からの購入電力量を効果的に削減し、デマンド料金の抑制につなげることができます。

デマンド料金の仕組み:30分ごとの最大電力使用量で基本料金が決定

デマンド料金は、電力会社との契約における基本料金を決定する重要な要素です。

電力会社は30分ごとの電力使用量を計測しており、そのうち月間で最も高かった値をその月の最大需要電力(デマンド値)とします。

過去1年間(当月と前11ヶ月)の各月のデマンド値の中で、最も大きい数値が契約電力として採用され、その後1年間の基本料金に適用されます。

たとえ一時的でも大きな電力を使ってしまうと、その後の基本料金が高額になる仕組みです。

昼間の購入電力量を太陽光発電で相殺し、最大デマンド値を抑制する

太陽光発電システムは、多くの工場やオフィスで電力需要がピークに達する昼間の時間帯に最も多く発電します。

この発電した電力を自社の設備で直接使用することで、その分だけ電力会社から購入する必要がある電力量が減少します。

結果として、30分ごとの電力使用量の最大値である最大デマンド値を低く抑えることが可能です。

特に、冷房の使用などで電力需要が急増する夏場のピーク対策として、太陽光発電によるピークカットは極めて効果的です。

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【シミュレーション】太陽光のピークカットで電気代はいくら削減できる?

太陽光発電によるピークカットが、具体的にどの程度の電気代削減につながるのかをシミュレーションします。

電気の基本料金は「基本料金単価×契約電力(kW)×力率割引」という計算式で算出されます。

この契約電力は、前述の通り過去1年間の最大デマンド値によって決まるため、太陽光発電で最大デマンド値を下げることができれば、基本料金を直接的に削減できます。

ここでは、具体的な数値を基に、年間のコスト削減額を試算します。

事例:ピーク電力を50kW削減した場合の年間コスト削減額の試算

事例:ピーク電力を50kW削減した場合の年間コスト削減額の試算

太陽光発電の導入により最大デマンド値を50kW削減できた場合の年間コスト削減額を試算します。高圧電力の基本料金単価は地域や契約内容によって異なりますが、例えば1kWあたり1,800円と仮定すると、月々の基本料金削減額は50kW×1,800円/kW=90,000円となります。

年間に換算すると、90,000円×12ヶ月=1,080,000円となり、年間で約108万円の基本料金を削減できる計算になります。この試算はあくまで一例であり、実際の削減額は契約している電力会社やプラン、力率などによって変動します。

電力ピークを抑える3つの方法を比較|太陽光・蓄電池・負荷制御

電力使用量のピークを抑制し、デマンド料金を削減する方法は、太陽光発電の自家消費だけではありません。

代表的な方法として、蓄電池の活用や、デマンドコントローラーによる負荷制御が挙げられます。

これらの方法はそれぞれ仕組みやコスト、効果的な時間帯が異なります。

自社の電力使用パターンや予算に合わせて最適な手法を選択、あるいは組み合わせることで、より効果的なピークカットが実現できます。

産業用蓄電池の活用については「産業用蓄電池とは?太陽光発電との効果・導入費用・補助金を法人向けに解説」で詳しく紹介しています。

方法①:太陽光発電の自家消費でピークをカットする

太陽光発電によるピークカットは、電力需要が高まる日中に発電した電力を直接消費する方法です。

初期費用はかかりますが、発電した電力を使うことでデマンド料金と電力量料金の両方を削減できる点が大きなメリットです。

また、再生可能エネルギーの利用は企業の環境貢献にもつながります。

ただし、発電量は天候に左右されるため、曇天や雨天時にはピークカット効果が薄れるという注意点があります。

方法②:蓄電池から放電してピークをカットする

蓄電池を用いたピークカットは、電力料金が安い夜間に電力を蓄え、電力需要がピークに達する昼間に放電して使用する方法です。

太陽光発電と異なり天候に左右されず、計画的にピークを抑制できる安定性が強みです。

太陽光発電システムと連携すれば、余剰電力を蓄えて夜間や天候の悪い日に使うことも可能です。

一方で、蓄電池本体の導入コストが太陽光発電に加えて別途必要になるため、初期投資額が大きくなる傾向があります。

産業用蓄電池については「産業用蓄電池の価格や補助金、太陽光発電とのメリットを解説」で詳しく紹介しています。

方法③:デマンドコントローラーで設備を制御しピークを抑える

デマンドコントローラーは、電力使用量を常時監視し、設定した目標デマンド値を超えそうになると、あらかじめ登録しておいた空調や照明などの設備を一時的に自動制御するシステムです。

比較的低いコストで導入でき、確実にピークを抑制できる点がメリットです。

しかし、制御中は対象設備の稼働が止まるため、生産活動や従業員の快適性を損なわないよう、どの設備をどの程度制御するかを慎重に計画する必要があります。

BEMSについては「BEMSとは?EMS・FEMS・HEMSの違いと法人の導入メリットを解説」で詳しく紹介しています。

もう一つの意味「過積載」におけるピークカットの仕組みを解説

太陽光発電の分野で使われるもう一つの「ピークカット」は、過積載という設置方法に関連するものです。

これは、発電所の収益性を高めるために用いられる技術的な手法であり、パワーコンディショナ(パワコン)の容量に対して、それを上回る容量の太陽光パネルを接続することを指します。

この設計により、パワコンの最大出力に達した際に発電量が頭打ちになる現象、すなわちピークカットが発生します。

過積載とは?パワコン容量以上に太陽光パネルを設置すること

過積載とは、太陽光発電システムにおいて、発電した直流電力を交流電力に変換するパワーコンディショナの定格出力(kW)よりも、多くの容量を持つ太陽光パネルを設置する設計のことです。

例えば、定格出力49.5kWのパワコンに、合計60kWの太陽光パネルを接続するようなケースがこれに該当します。

これにより、パワコンの変換能力を最大限に引き出し、年間を通じた総発電量を増やすことを目的としています。

なぜ発電ロス(ピークカット)があっても過積載で総発電量が増えるのか

過積載によって快晴時のピーク発電量がカットされるにもかかわらず年間の総発電量が増えるのは、日射量の少ない時間帯の発電量が増加するためです。

太陽光発電は、常に最大出力で発電しているわけではありません。

朝夕や曇天、雨天時など日射量が少ない時間帯では、パネルの枚数が多い過積載の方が、より早く、より多くの電力を生み出します。

ピーク時に失う発電量よりも、それ以外の時間帯で得られる発電量の増加分が上回るため、結果として年間の総発電量は増加するのです。

過積載でピークカットを行う3つのメリット

過積載でピークカットを行う3つのメリット

太陽光発電において、意図的にピークカットを発生させる過積載という手法には、発電事業者にとって大きなメリットが存在します。

パワコンの能力を最大限に活用することで、限られた設備容量の中で発電効率を高め、収益性の向上を図ることが可能です。

具体的には、年間の総発電量の最大化、設備認定区分の維持、そして発電量の安定化といった3つの主要な利点が挙げられます。

メリット①:朝夕や曇天時の発電量を増やし年間発電量を最大化できる

過積載の最大のメリットは、年間を通じた総発電量を増やせる点です。

太陽光パネルの出力量は日射量に比例するため、快晴の昼間でなければ最大出力を発揮できません。

過積載にすることで、日射量の少ない朝夕の時間帯や曇りの日でもパワコンの出力を早い段階で引き上げ、高いレベルで維持できます。

ピーク時に一部の発電機会を失ったとしても、それ以外の時間帯での発電量が増加するため、トータルでの発電量を最大化できます。

メリット②:50kW未満の低圧契約を維持したまま発電量を増やせる

日本の電気事業法では、発電設備の出力が50kW以上か未満かで「高圧連系」と「低圧連系」に区分されます。

高圧連系になると、キュービクル(高圧受電設備)の設置が義務付けられるなど、コストや手続きの負担が大幅に増加します。

パワコンの出力を49.5kWなどに抑え、太陽光パネルを過積載にすれば、低圧連系の区分を維持したまま、実質的な発電量を増やすことが可能です。

これにより、設備投資を抑えつつ収益性を高められます。

メリット③:天候による発電量の変動を平準化し安定した発電を実現する

過積載は、発電量の安定化にも寄与します。

パワコンの定格出力に合わせたパネル容量の場合、天候が悪化すると発電量は大きく低下します。

一方、過積載のシステムでは、もともとのパネル容量が大きいため、多少日射量が落ち込んでもパワコンの最大出力に近いレベルで発電を続けることが可能です。

これにより、天候による発電量の変動が緩和され、一日を通してより平準化された安定的な電力供給が期待できます。

過積載でピークカットを行う際の3つの注意点(デメリット)

過積載でピークカットを行う際の3つの注意点(デメリット)

過積載は多くのメリットをもたらす一方で、導入を検討する際には注意すべきデメリットも存在します。

初期費用の増加や、メーカー保証の条件、そして発電機会の損失といった点は、事業の採算性に影響を与える可能性があるため、事前に十分に理解しておく必要があります。

これらのリスクを把握し、メリットと比較衡量した上で、自社の発電事業に最適な設計を判断することが重要です。

注意点①:太陽光パネルの設置枚数が増え初期費用が高くなる

過積載は、パワーコンディショナの容量に対してより多くの太陽光パネルを設置する手法であるため、必然的にパネルの購入費用や設置工事費が増加します。

通常の設計に比べて、初期投資額が大きくなる点は明確なデメリットです。

この増加したコストを、将来の売電収入の増加分でどのくらいの期間で回収できるのか、詳細な収支シミュレーションを行い、投資対効果を慎重に見極める必要があります。

注意点②:パワコンのメーカー保証が対象外になる可能性がある

パワーコンディショナのメーカーは、製品ごとに許容できる過積載率の上限を定めている場合があります。

この規定を超えて太陽光パネルを接続すると、パワコンに過度な負荷がかかり、故障のリスクが高まる可能性があります。

万が一、メーカーの許容範囲を超えた設計で故障が発生した場合、保証期間内であっても保証の対象外と判断される恐れがあるため、設計段階で必ずメーカーの仕様や保証条件を確認することが不可欠ですし、DCリンク方式などについても確認しておきましょう。

DCリンク方式については「DCリンク方式とは?AC比較で分かる高効率化と収益向上の仕組み」で詳しく紹介しています。

注意点③:日射量が多い時間帯は発電機会の損失が発生する

過積載の仕組み上、避けられないデメリットが、晴天の昼間など日射条件が良い時間帯に発生する発電機会の損失です。

太陽光パネルが生み出す電力がパワコンの処理能力を超えた場合、その超過分はピークカットによって抑制され、売電などに活用することはできません。

これは「棄損」とも呼ばれ、本来得られるはずだった売電収入を逃していることになります。

立地の日照条件などを考慮し、この損失が許容範囲内かを検討する必要があります。

ピークカットとピークシフトは何が違う?目的と仕組みを図解で解説

ピークカットとピークシフトは何が違う?目的と仕組みを図解で解説

ピークカットとピークシフトは、どちらも電力需要を平準化するための手法ですが、その目的と仕組みには明確な違いがあります。

ピークカットとは、電力需要の山を削ることを目的とします。

主に太陽光発電の自家消費によって、需要が最大になる時間帯の購入電力量そのものを削減するアプローチです。

一方、ピークシフトは電力需要の山をずらすことを目的とし、蓄電池などを活用して夜間の安価な電力を昼間に使うことで、需要の時間帯を移行させる手法です。

ピークシフトについては「ピークシフトとは?太陽光・蓄電池で電力消費時間帯をずらす方法」で詳しく紹介しています。

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太陽光発電のピークカットに関するよくある質問

ここでは、太陽光発電のピークカットとは何か、その導入を検討している企業の担当者から寄せられることが多い質問とその回答をまとめました。

電気基本料金の削減効果や、過積載における発電ロスの考え方、ピークシフトとの違いなど、実践的な疑問について簡潔に解説します。

これらの情報を参考に、自社の状況に合わせた最適なエネルギー管理方法をご検討ください。

太陽光発電を導入すれば、工場の電気基本料金は必ず安くなりますか?

必ず安くなるとは限りません。

太陽光発電は日中に発電するため、電力使用のピークが昼間にある工場では基本料金の削減効果が期待できます。

しかし、24時間稼働の工場などで電力ピークが夜間や早朝にある場合、太陽光発電によるピークカットの効果は限定的です。

自社の電力使用パターン(デマンドデータ)を分析し、費用対効果を事前に検証することが重要です。

過積載によるピークカットで、発電した電力を捨てるのはもったいなくないですか?

再生可能エネルギーの出力抑制は、発電事業者にとって事業収益を圧迫し、投資停滞や事業撤退を招く可能性があると指摘されています。特に、売電収入の減少や、融資を受ける際の金融機関の不信感増大といった経済的な悪影響が報告されており、経済的合理性があるとは一概には言えません。

ピークカットとピークシフト、自社の電気代削減にはどちらが効果的ですか?

日中の電力使用量が突出して多い事業所であれば、太陽光発電によるピークカットが直接的な効果を発揮します。

一方、夜間も一定の電力を使用し、昼夜の料金差が大きいプランを契約している場合は、蓄電池を使ったピークシフトが有効です。

企業の電力使用パターンや契約内容によって最適な方法は異なるため、両者の組み合わせも視野に入れた検討が望ましいです。

太陽光パネルを過積載すると、パワーコンディショナの寿命は縮まりますか?

パワコンが最大出力で稼働する時間が長くなるため、機器への負荷は増加し、理論的には寿命が縮まる可能性はあります。

多くのメーカーは一定の過積載を想定して製品を設計しており、その許容範囲内での運用であれば、過度に心配する必要はありません。

重要なのは、メーカーが定める仕様と保証条件を遵守した適切な設計・施工を行うことです。

ピークカットによるデマンド料金削減を目的として太陽光発電を導入する際、何から検討すればよいですか?

まずは、自社の電力使用状況を正確に把握することから始めます。

電力会社から過去1〜2年分の30分ごとの電力使用量データ(デマンドデータ)を取り寄せ、電力需要のピークが発生する時間帯、季節、規模を分析してください。

その上で、屋根の面積や形状、強度などを確認し、設置可能な太陽光発電システムの容量と、それによるピークカット効果および費用対効果をシミュレーションします。

まとめ

太陽光発電におけるピークカットは、「電力需要のピークを抑制し電気代を削減する」という節電の文脈と、「過積載時にパワコンの能力を超える発電を抑制する」という発電運用の文脈で、異なる意味を持ちます。

法人が電気代、特に基本料金であるデマンド料金の削減を目指す場合、日中の自家消費によるピークカットが有効です。

一方、発電事業の収益性を高めるには、過積載によるピークカットの仕組みを理解し、朝夕や曇天時の発電量を増やすことが重要になります。

自社の目的を明確にし、それぞれのメリット・デメリットを比較検討することが求められます。

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この記事の監修者

監修 曽山

ソエルク運営責任者 曽山

  • ・再エネ業界13年以上
  • ・相談実績10,000人以上
  • ・太陽光発電アドバイザー
産業用太陽光のご相談を数多く受けてきた実務経験をもとに、この記事を監修しています。ソエルクでは、条件整理のうえで地域や目的に合う会社を中立的な立場でご紹介します。
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