- ・FIT/FIP事業者に課される保険加入の努力義務と、その必要性
- ・設備の損害や第三者への賠償など、目的別の保険の種類と補償範囲
- ・太陽光発電の容量別に見る保険料の相場と、近年の値上げの背景
- ・補償内容と自己負担額のバランスを見極めるなど最適な保険の選び方
太陽光発電における保険の加入は、特に産業用(FIT/FIP認定事業者)の場合、制度上の努力義務としてその重要性が増しています。
メーカー保証だけではカバーしきれない自然災害や盗難による損害リスクに備えるため、火災保険をはじめとする複数の種類から適切な補償を選ぶ必要があります。
近年続く保険料の値上げも踏まえ、この記事では太陽光保険の義務や補償内容、費用相場について解説します。
- FIT/FIP事業者に課される保険加入の努力義務と、その必要性
- 設備の損害や第三者への賠償など、目的別の保険の種類と補償範囲
- 太陽光発電の容量別に見る保険料の相場と、近年の値上げの背景
- 補償内容と自己負担額のバランスを見極めるなど最適な保険の選び方
Contents
太陽光発電の保険加入は義務?FIT/FIP制度の要件を解説
太陽光発電の保険加入は、法律で定められた強制的な義務ではありません。
しかし、FIT(固定価格買取制度)やFIP(フィードインプレミアム)の認定を受けて事業を行う場合、資源エネルギー庁の事業計画策定ガイドラインによって、第三者への損害賠償に備える保険への加入が努力義務とされています。
このため、実質的には義務化に近い位置づけとなっており、多くの事業者が何らかの損害保険に加入しています。
資源エネルギー庁が示す「保険加入の努力義務」とは
資源エネルギー庁が公表している「事業計画策定ガイドライン」では、FIT/FIP認定事業者は、事業の安定性や安全性を確保する観点から、適切な保険に加入することが求められています。
具体的には、太陽光パネルの飛散などによって第三者に損害を与えた場合に備える「施設賠償責任保険」などへの加入が努力義務として明記されています。
これは、万が一の事故の際に事業者が適切な賠償責任を果たせるようにするための措置です。
加入しない場合に想定されるペナルティや事業上のリスク
保険への加入は努力義務であり、未加入を理由とする直接的な罰則は現時点ではありません。
しかし、FIT/FIP認定の審査や更新において、事業の継続性や安全管理体制が不十分と判断される可能性があります。
また、事故発生時に損害賠償ができない場合、事業の継続が困難になるだけでなく、投資回収も不可能になるという重大なリスクを負います。
金融機関から融資を受ける際、保険加入が条件とされることも少なくありません。
電気代削減額を10秒で試算する
- 設置費用
- —
- 補助金による削減
- ▲—
- 税額控除による軽減
- ▲—
- 実質負担額
- —
- 自家消費率:—(発電量のうち自社で消費する割合)
- 電力単価:—円/kWh。基本料金は削減対象に含みません
- 設備費用:—万円/kW(容量に応じた概算単価)
- 補助金:最大40%(自治体補助を併用した場合の想定)
- 税制:補助金控除後の取得価額に対して税額控除10%で試算
- 試算は目安であり、実際の効果を保証するものではありません
詳しい試算条件・注意事項はこちら
※税制は中小企業経営強化税制の「税額控除」で試算しています。補助金を受ける場合は圧縮記帳により取得価額が減額されるため、本試算では補助金控除後の取得価額に対して10%(資本金3,000万円超1億円以下は7%)を適用しています。適用には設備取得前の「経営力向上計画」の認定が必要で、控除額は法人税額の20%が上限です。
※もう一方の「即時償却」を選んだ場合、初年度の納税額は減りますが、翌年度以降の減価償却費がなくなるため、耐用年数を通算した納税総額は原則として変わりません。
※削減対象は電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金です(合計21.6円/kWhで試算)。基本料金(契約電力にかかる部分)は太陽光では原則削減されないため含みません。
※補助金は自治体補助を併用した場合の最大値(40%)で試算しています。国の主要制度(環境省ストレージパリティ達成支援事業)は4万円/kW(設置費のおおむね2〜3割に相当)が目安です。
※回収年数は「初期費用 ÷ 年間削減額」の単純計算です。維持管理費(O&M)・パワーコンディショナ交換費・保険・固定資産税は含みません。削減額は表示の自家消費率(工場70%等)を前提としており、実際の稼働で自家消費率が下回ると回収年数は延びます。
※補助金額は制度・地域・年度により変動し、公募での採択が前提です。
低圧・高圧・特別高圧、契約種別に関わらず全て対応しています。詳細は税理士にご確認ください。
メーカー保証だけでは不十分?太陽光発電における保険の必要性
太陽光発電設備にはメーカー保証が付帯していますが、その保証範囲は限定的です。
メーカー保証はあくまで製品自体の不具合や性能を保証するものであり、外部要因による損害は対象外となります。
台風や落雷といった自然災害、飛来物による破損、盗難などのリスクは損害保険でなければカバーできません。
そのため、メーカー保証を補完する形で、損害保険への加入が必要不可欠となります。
【補償範囲の違い】メーカー保証でカバーされる損害
メーカー保証は、主に製造上の欠陥が原因で発生した製品の故障や、規定の出力を下回った場合の出力保証が対象です。
例えば、太陽光パネルの内部的な不具合による発電量の低下や、パワーコンディショナの自然故障などがこれに該当します。
保証期間は製品によって異なり、10年〜25年程度が一般的です。
あくまで製品自体の瑕疵に対する保証であり、外的な要因による損害は補償範囲外となります。
保証期間については「保証期間の種類と期間」で詳しく紹介しています。
【補償範囲の違い】損害保険でなければ対応できないリスク
損害保険は、メーカー保証の対象外となる外部からの突発的な事故による損害を補償します。
具体的には、台風や洪水、落雷、ひょう、積雪といった自然災害による設備の破損や故障が挙げられます。
さらに、第三者の過失による損害、火災、鳥や動物による被害、近年増加しているケーブルや設備の盗難なども損害保険のカバー範囲です。
これらのリスクは予測が難しく、一度発生すると甚大な被害につながる可能性があります。
【補償範囲の違い】メーカーが提供する「出力保証」の注意点
メーカー保証の中には、太陽光パネルの発電量が一定期間、規定値を下回った場合に修理や交換を受けられる「出力保証」が含まれています。
しかし、出力保証は通常使用における経年劣化を想定したものであり、自然災害や事故が原因による性能低下は保証の対象外となります。
また、あくまでパネル自体の性能を保証するものであり、発電が停止したことによる売電収入の減少を補填するものではありません。
そのため、保険との役割分担を正しく理解し、別途加入することが重要です。
【目的別】太陽光発電で加入を検討すべき保険の種類
太陽光発電で加入を検討すべき保険は、守りたい目的によって大きく3つに分けられます。
1つ目は設備そのものの損害に備える「火災保険(動産総合保険)」、2つ目は第三者への損害賠償に備える「施設賠償責任保険」、そして3つ目は発電停止期間の売電収入減少を補う「休業損害補償」です。
これらの保険を組み合わせることで、太陽光発電事業を取り巻くさまざまなリスクに総合的に対応できます。
リスク別に見る各保険とメーカー保証のカバー範囲
各リスクに対して、考えられる保険や保証の対応範囲を整理しました。設備を守るだけでなく、事業の継続性を確保するために、ご自身の状況に合わせた最適な組み合わせを検討することが重要です。
リスク別のカバー範囲は以下の画像のとおりです。
※実際の補償範囲は契約内容や引き受け条件により異なります。
設備の損害に備えるための「火災保険(動産総合保険)」
太陽光発電設備自体を物理的な損害から守るための保険で、動産総合保険とも呼ばれます。
火災だけでなく、落雷、風災、雪災、水災などの自然災害、飛来物や衝突による破損、盗難、いたずらによる損害など、幅広い偶然の事故を補償対象とします。
太陽光パネル、パワーコンディショナ、架台、接続箱、ケーブルといった発電システム一式が補償の対象となり、太陽光保険の中核をなす保険です。
第三者への損害を補償するための「施設賠償責任保険」
所有・管理する太陽光発電設備が原因で、他人の身体や財物に損害を与え、法律上の賠償責任を負った場合に補償される保険です。
例えば、台風で太陽光パネルが飛散し、隣家の屋根や車を破損させた、通行人に怪我を負わせたといったケースが該当します。
特に野立ての太陽光発電所など、周辺に被害を及ぼすリスクがある場合に重要となり、FIT/FIP制度でも加入が強く推奨されています。
工事中の事故ではなく、設置後の管理責任が問われる事故を対象とします。
止まった間に増える電気代を補うための「休業損害補償」
火災や自然災害などで設備が損害を受け、発電が停止または低下した期間中に得られるはずだった売電収入の損失を補償する保険です。
特に法人における自家消費型太陽光発電の場合、設備が止まった期間中は電力会社から電気を買わなければならず、電気代の負担が急激に増加してしまいます。このような休業中(発電停止中)に増える電気代などの経済的損失を補償するのが、休業損害補償の役割です。
ただし、電力会社の都合による出力抑制や、経年劣化による発電量低下は補償の対象外となるため注意が必要です。
あくまで、保険の対象となる突発的な事故が原因で発電が停止した場合に適用されます。
地震による損害に備えるための「地震保険」
通常の火災保険(動産総合保険)では、地震・噴火またはこれらによる津波を原因とする損害は補償の対象外です。
そのため、地震による設備損壊のリスクに備えるには、別途、地震保険や地震危険補償特約を付帯する必要があります。
全ての損害保険会社が産業用の地震保険を提供しているわけではありませんが、東京海上日動や三井住友海上などの大手損保会社では専用プランが用意されています。
地震対策については「事業用太陽光発電の地震対策」で詳しく紹介しています。
事業撤退時のリスクに備える「廃棄費用補償」
自然災害などにより設備に甚大な被害が生じ、やむを得ず事業を縮小または廃止する際にかかる撤去費用を補償する保険もあります。
太陽光パネルや周辺機器の廃棄には多額の費用がかかりますが、通常の火災保険ではカバーしきれないケースがあります。
近年、FIT制度において廃棄費用の外部積立が義務化されている中で、万が一の事態に備えておく必要があります。
廃棄費用に特化した補償をオプションとして追加することで、撤退時の財務リスクを軽減できます。
遠隔監視システムを守る「サイバーリスク補償」
近年は遠隔監視システムや出力制御システムへの不正アクセスなど、サイバー攻撃のリスクが高まっています。
ネットワークを通じてシステムが乗っ取られたり、情報が漏えいしたりした場合、第三者への損害賠償や原因調査、システム復旧に多額の費用が発生します。
サイバーリスクに特化した保険を付帯することで、こうしたセキュリティ事故による被害を補償することが可能です。
復旧対応に伴う事業上の追加費用などをカバーできるため、安定した事業運営に役立ちます。
電気代削減額を10秒で試算する
- 設置費用
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- 補助金による削減
- ▲—
- 税額控除による軽減
- ▲—
- 実質負担額
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- 自家消費率:—(発電量のうち自社で消費する割合)
- 電力単価:—円/kWh。基本料金は削減対象に含みません
- 設備費用:—万円/kW(容量に応じた概算単価)
- 補助金:最大40%(自治体補助を併用した場合の想定)
- 税制:補助金控除後の取得価額に対して税額控除10%で試算
- 試算は目安であり、実際の効果を保証するものではありません
詳しい試算条件・注意事項はこちら
※税制は中小企業経営強化税制の「税額控除」で試算しています。補助金を受ける場合は圧縮記帳により取得価額が減額されるため、本試算では補助金控除後の取得価額に対して10%(資本金3,000万円超1億円以下は7%)を適用しています。適用には設備取得前の「経営力向上計画」の認定が必要で、控除額は法人税額の20%が上限です。
※もう一方の「即時償却」を選んだ場合、初年度の納税額は減りますが、翌年度以降の減価償却費がなくなるため、耐用年数を通算した納税総額は原則として変わりません。
※削減対象は電力量料金と再生可能エネルギー発電促進賦課金です(合計21.6円/kWhで試算)。基本料金(契約電力にかかる部分)は太陽光では原則削減されないため含みません。
※補助金は自治体補助を併用した場合の最大値(40%)で試算しています。国の主要制度(環境省ストレージパリティ達成支援事業)は4万円/kW(設置費のおおむね2〜3割に相当)が目安です。
※回収年数は「初期費用 ÷ 年間削減額」の単純計算です。維持管理費(O&M)・パワーコンディショナ交換費・保険・固定資産税は含みません。削減額は表示の自家消費率(工場70%等)を前提としており、実際の稼働で自家消費率が下回ると回収年数は延びます。
※補助金額は制度・地域・年度により変動し、公募での採択が前提です。
低圧・高圧・特別高圧、契約種別に関わらず全て対応しています。詳細は税理士にご確認ください。
自然災害から盗難まで|太陽光保険の具体的な補償内容
太陽光保険は、さまざまなリスクによる経済的損失をカバーします。
その具体的な補償内容は、台風や落雷といった自然災害による物理的な損害から、近年社会問題化しているケーブルなどの盗難被害、さらには予期せぬ飛来物によるパネルの破損まで多岐にわたります。
これらの補償を適切に組み合わせることで、安心して事業を継続するための基盤を築くことが可能です。
台風や落雷、雪災といった自然災害による設備の損害
太陽光保険が最も活用されるケースの一つが自然災害による損害です。
例えば、台風の強風によって太陽光パネルが飛散したり、架台ごと倒壊したりする被害が補償されます。
また、落雷によってパワーコンディショナや集電箱の電子回路が故障した場合の修理費用も対象です。
さらに、豪雪地帯では積雪の重みによる架台の変形やパネルの破損なども補償範囲に含まれます。
事業用太陽光発電の台風対策|被害を防ぐ事前準備から保険・事故報告まで解説
近年増加しているパワーコンディショナやケーブルの盗難被害
太陽光発電所を狙った盗難被害が報告されており、特に銅を多く含む接続ケーブルの切断や盗難が発生しています。
パワーコンディショナなどの設備が盗まれるケースも報告されています。
動産総合保険は、こうした盗難による設備の損害や復旧にかかる費用を補償する場合がありますが、ケーブル盗難については保険の適用範囲が限定される場合や、既存契約が更新時に適用外となるケースも増えています。
また、警備体制の不備などが指摘されると保険金が支払われない可能性もあるため、防犯対策も重要です。
防犯対策については「太陽光発電所の防犯対策」で詳しく紹介しています。
太陽光発電所の防犯対策|ケーブル盗難を防ぐ効果的な方法と費用
飛来物や衝突による太陽光パネルの破損
自然災害以外にも、予期せぬ事故による損害は起こり得ます。
例えば、近隣の建物や工事現場からの飛来物、カラスなどが落とした石、子供が投げたボールなどが太陽光パネルに当たって破損した場合も補償の対象です。
また、敷地内に車が誤って突っ込んできて設備を破壊したといったケースも考えられます。
ローン返済中に設備が全損すると経済的打撃が大きいため、こうした偶発的な事故に備える保険は不可欠です。
太陽光保険の費用はいくら?保険料の相場と高騰の背景
太陽光保険の費用は、設備の規模や所在地、補償内容によって大きく変動します。
保険料の相場を知ると同時に、近年なぜ保険料が高いと感じられるのか、その高騰の背景を理解することが重要です。
自然災害の増加などを理由に、各保険会社は保険料の値上げや免責金額(自己負担額)の見直しを進めており、契約者はこれらの変化に対応する必要があります。
【容量別】産業用・住宅用における年間保険料の目安
保険料の相場は、太陽光発電設備の容量や補償内容によって異なります。産業用における容量別の設備価格、年間保険料、自己負担となる免責金額の目安は以下の通りです。
【産業用太陽光発電の年間保険料の目安】
・低圧(50kW未満)の太陽光発電の保険料相場は設備価格の0.3〜0.8%程度、50kWで年間約8万〜18万円程度が目安とされています。免責金額は1事故あたり5万〜10万円程度とされています。
住宅用(4kW~8kW程度)の場合は、単独で保険に加入するよりも既存の火災保険に特約を付帯する形が一般的で、年間の追加保険料は数千円から1万円程度が目安となります。
ただし、これらの金額は補償内容や立地のリスク、保険会社によって大きく変動します。
産業用太陽光発電の費用相場については「産業用太陽光発電の費用相場」で詳しく紹介しています。
2024年以降に保険料が値上がりしている理由
2024年以降、多くの損害保険会社で太陽光保険を含む火災保険料の値上げが実施されています。
その主な理由は、台風や豪雨といった自然災害が激甚化・頻発化し、保険金の支払い額が想定を上回る水準で増加しているためです。
また、世界的なインフレや円安により、交換部品である太陽光パネルやパワーコンディショナの価格が高騰し、修理費用が上昇していることも保険料を押し上げる一因となっています。
自己負担額(免責金額)の設定変更が契約者に与える影響
保険料の値上げと同時に、自己負担額である免責金額の設定も変更される傾向にあります。
従来は「5万円」といった定額設定が主流でしたが、近年は「損害額の10%」といった定率設定や、免責金額そのものが引き上げられるケースが増えています。
これにより、小規模な損害の場合は保険を使っても自己負担額を下回り、実質的に保険金が受け取れない可能性があります。
契約者は、保険金請求時の自己負担がいくらになるかを正確に把握しておく必要があります。
法人向けで注意すべき高額な免責条件と休業損害の影響
法人で産業用太陽光発電を運用する際、特に注意すべきなのが高額な免責金額の設定と休業損害です。
近年は保険料の値上げに伴い、免責金額が50万円から100万円に引き上げられるケースが増加しています。
被害が免責金額を下回ると全額自己負担となるため、設備の破損だけでなく、復旧までに数ヶ月かかった場合の売電収入の損失が法人の事業計画に大きな打撃を与えます。
三井住友海上などの損害保険会社が提供する企業向け総合保険にて、休業損害特約の条件をシビアに見直す必要があります。
値上げ時代に最適な太陽光保険を選ぶ7つのポイント
保険料が値上がりする状況下で、コストを抑えつつ必要な補償を確保するためには、賢い保険選びが求められます。補償内容と自己負担額のバランスを見極め、複数の会社から見積もりを取って比較することが基本です。ここでは、値上げ時代において、最適な太陽光発電保険を選ぶためのポイントを解説します。
補償内容と自己負担額(免責金額)のバランスを検討する
保険料を安くしたいからといって、補償範囲を狭めすぎたり、自己負担額(免責金額)を高く設定しすぎたりするのは避けるべきです。
万が一の際に必要な補償が受けられなければ、保険に加入している意味がありません。
自身の発電所の立地リスクや財務状況を考慮し、どの程度のリスクなら自己負担できるかを考え、補償内容と免責金額の最適なバランスを見つけることが重要です。
定期的な契約内容の見直しも行いましょう。
複数の保険代理店から相見積もりを取得して比較する
同じような補償内容であっても、保険料は保険会社によって大きく異なります。
そのため、必ず複数の保険会社や代理店から見積もりを取得し、料金と補償内容を比較検討することが鉄則です。
特に、太陽光発電に関する専門知識が豊富な代理店に相談すると、リスクに応じた適切なプランの提案や、保険料を抑えるためのアドバイスが受けられます。
1社だけで判断せず、多角的に比較することが重要です。
設置場所のハザードマップを確認し必要な補償を見極める
自治体が公表しているハザードマップなどを活用し、太陽光発電所の設置場所がどのような災害リスクを抱えているかを確認しましょう。
例えば、河川の近くで浸水リスクが高い場所であれば水災補償を、台風の通過が多い地域であれば風災補償を手厚くするなど、立地条件に合わせて必要な補償内容を見極めることが大切です。
不要な補償を外すことで、保険料の最適化にもつながります。
日頃のメンテナンス状況が保険料に影響するケースを理解する
適切なメンテナンス(定期点検、除草、清掃など)を日頃から実施していることは、保険料を算出する上でのリスク評価に影響を与える場合があります。
維持管理状況が良好であれば、保険会社によっては保険料が割引かれる可能性があります。
逆に、メンテナンスを怠ったことが原因で発生した事故と判断された場合、保険金が支払われないケースもあるため注意が必要です。
適切な管理は、リスク低減と保険料の両面でメリットがあります。
自己所有のコスト増を避けるならPPAでの導入も検討する
保険料の高騰や維持管理コストの増加といった負担を軽減したい場合、自社で設備を所有しない「PPA(電力販売契約)」による導入も有効な選択肢です。
PPAとは、事業者が初期費用を負担して太陽光発電設備を設置し、その設備で発電された電気を需要家が購入する仕組みです。設備の所有権は事業者にあるため、万が一の自然災害や事故に対する保険加入は原則として事業者の役割となります。
需要家が高額な保険料を直接支払い続ける必要はなく、PPA事業者の保険料が電力料金に転嫁される可能性や、維持管理コストが電力料金に含まれるケースもありますが、これらの費用は事業者が一括して管理します。これにより、長期的なコストの可視化と安定化に繋がる可能性があります。
防犯対策の有無が盗難補償の適用条件になる点を確認する
近年、銅線ケーブルやパワーコンディショナの盗難被害が全国で急増していることから、保険会社は盗難補償の引き受け条件を厳格化しています。
フェンスの設置や監視カメラの導入、適切な施錠といった防犯対策が不十分な場合、盗難補償の対象外とされたり、高額な免責金額が適用されたりするケースがあります。
保険更新の際は、自社の防犯設備が保険会社の定める条件を満たしているかを必ず確認することが求められます。
必要に応じて物理的な対策を強化するメリットがあるため、早めの見直しをおすすめします。
10年経過後の保険更新時に起こり得る補償内容の低下を防ぐ
固定価格買取制度(FIT)の開始初期に導入された設備は、当時の動産総合保険が10年契約となっているケースが多く、現在その更新タイミングを迎えています。
しかし、自然災害の激甚化や保険会社の審査厳格化により、以前と同じ条件で更新できないことが増えています。
単年契約化や補償範囲の縮小を提示されるなど、更新後の契約条件が厳しくなるケースは少なくありません。
古い契約のまま放置せず、現在のリスク環境に適した補償内容へ見直すことが、安定した運用に不可欠です。
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およそ1分で完了 無料で最大3社を比較する太陽光保険に関するよくある質問
ここでは、太陽光保険を検討する際によく寄せられる質問とその回答をまとめました。
Q. 住宅用の火災保険で太陽光パネルも補償されますか?
はい、多くの場合、建物の一部(付属物)として住宅用の火災保険で補償されます。
ただし、設置した際に保険会社への通知が必要です。
通知を怠ると、万が一の際に補償が受けられない可能性があります。
また、補償対象に含めることで保険料が変動する場合があるため、設置時や契約更新時には必ず保険会社または代理店に確認してください。
Q. 中古で購入した太陽光発電所でも保険に加入できますか?
はい、加入できます。
ただし、設備の設置年数やメンテナンス履歴、故障歴などによって、加入条件が厳しくなったり、保険料が割高になったりする場合があります。
保険会社によっては現地調査が必要になることもあります。
設備の価値に応じた保険に加入することが重要です。
Q. ケーブル盗難が保険の対象外になることはありますか?
はい、保険契約の内容によっては対象外となる可能性があります。
例えば、補償範囲が「建物内」に限定されている場合や、保険の対象物にケーブルが含まれていないケースです。
また、フェンスや防犯カメラなどの基本的な防犯対策を怠っていた場合、重大な過失とみなされ保険金が支払われない可能性もあるため、契約内容の確認と盗難対策が重要です。
Q.ローンに付帯している保険が切れた後はどうすればよいですか?
太陽光発電設備を導入した際、ソーラーローンに付帯している保険(動産総合保険など)に加入しているケースがあります。しかし、ローンの支払いが終わる前や、一定期間(例えば10年)が経過した時点で、気づかないうちに保険の有効期限が切れてしまうことが少なくありません。
保険期間が終了した状態で事故や災害が発生すると、損害はすべて自己負担となります。契約の満了時期をあらかじめ確認し、期限が切れる前に民間の損害保険会社や代理店に相談して、新たな保険プランへの見直しと再加入の手続きを行うことが重要です。
Q.事故発生時の保険金請求はどこまでサポートしてもらえますか?
いざ自然災害や落雷などで設備が損傷し、保険金を請求する際には、事故内容報告書の作成、損害部分の写真撮影、修理業者への見積もり依頼など、煩雑な手続きが必要となります。
これらの手続きをどこまでサポートしてもらえるかは、契約する保険会社や代理店、メンテナンスを委託している業者によって大きく異なります。保険代理店によっては、現地調査や書類作成の代行、修理業者とのやり取りまで一貫してサポートしてくれる場合もあります。保険選びの際は、補償内容だけでなく有事の際のサポート体制も確認しておくことが重要です。
太陽光パネルの故障については「太陽光パネルの故障で起こりえること」で詳しく紹介しています。
まとめ
太陽光発電の保険は、FIT/FIP認定事業者にとって努力義務であり、事業継続に不可欠なリスク対策です。
メーカー保証では対応できない自然災害や盗難などの損害に備えるため、火災保険、施設賠償責任保険、休業損害補償などを目的に応じて組み合わせる必要があります。
近年、保険料の値上げや免責金額の変更が進んでいますが、ハザードマップの確認や相見積もり、適切なメンテナンスを行うことで、コストを最適化しつつ必要な補償を確保することが可能です。