太陽光発電は災害時に使える?企業のBCP対策になる?

BCP対策とは

BCP対策(事業継続計画)とは、「Business Continuity Plan」の略で、自然災害、システム障害、感染症などの緊急事態が発生しても、企業が重要な事業を中断せずに継続したり、迅速に復旧するための事前の計画や準備のことです

 

BCP対策が必要な理由

企業が業務活動を行っていく際のリスクは自然災害やサイバー攻撃だけでなく、9.11のようなテロや国家間の紛争など多くあります。こういったリスクに対処するのがBCP対策です。BCP対策は自然災害、サイバー攻撃、パンデミック、テロ攻撃といったリスクに個別に対応するのではなく包括して対応する計画を策定します。BCP対策は、顧客や取引先、サプライチェーンからの信頼性向上に繋がり、何よりも災害時に社員の安全を守ることは企業の責任です

 

BCP対策を実行するメリット

BCP対策を企業として実行していくメリットを詳しく説明していきます。

社外評価のアップ

BCPの策定は顧客や取引先からの評価にも大きくかかわってきます。特にサプライチェーンに大きく影響される企業においては、BCPの存在は取引先との信頼関係に大きくかかわってきます。例えば、サプライチェーンが大きい自動車業界では緊急時の業務停止は他の企業に大きな迷惑が掛かります。BCPの策定は緊急時に業務復旧までの時間が短くなると考えられるので、取引先や顧客からの信頼性が向上します。

社員の安全確保

地震や紛争パンデミックが起きた際に、社員を守るのは会社の重要な責務でス。BCPを策定しておけば、従業員の安全確保や避難ルートの策定、緊急連絡網の整備など、災害時でも迅速に対応できる環境を整えることができます。これにより、従業員が安心して働ける環境を整備できるとともに、会社の信頼性を上げることができます

優先的に採択される補助金がある

BCP(事業継続計画)対策には、主に国(中小企業庁)の認定制度と、それを活用できる各種補助金、および地方自治体独自の助成金があります。特に「事業継続力強化計画」の認定は、他の主要な補助金申請時に加点優遇される大きなメリットがあります。例えば、事業継続力強化計画認定を受ければ、日本政策金融金庫から低利融資や税制優遇損害保険の割引などの優遇措置を受けることができます。また、モノづくり補助金やIT導入補助金に優先的に採択される可能性が高まります。

 

太陽光発電はBCP対策に貢献できる?

結論から言うと、太陽光発電は停電時にも電力を供給することでBCP対策に貢献可能です。太陽光発電のBCP対策におけるメリットを解説していきます。

外部との通信手段を確保できる

地震などの災害時は、電気・ガス・水道などのライフラインがダメージを受けて復旧までに時間がかかる場合が想定されます。太陽光発電を導入すれば、ライフラインが復旧するまでの間、電力を発電・供給することで、社員の安全を確保し、通信手段を維持することができます。災害時の、通信手段を確保は、親族・友人への安否確認を行う為にも必要です。

事業の早期復帰ができる

災害時にライフラインがダメージを受ければ通常は業務が停止してしまいます。太陽光発電があれば、電力を供給することで、完全に停止せず可能な範囲で業務を継続することができます。取引先やサプライチェーンにも迷惑をかけず、顧客からの評価も上がります。

地域社会に貢献できる

災害発生時に、太陽光発電や蓄電池によって蓄えた電力を、地域住民に供給することで避難所として地域社会に貢献できます。

 

BCP対策のポイント

実際にBCPを考えるにあたって大きく3つのポイントがあります。順番に説明していきます。

リスクとダメージを整理する

リスクを考えるためには会社にどのようなリソースがあるかまず整理することが前提です。会社のリソースとは、従業員、設備、資金、情報などです。次に、そのリソースにダメージを与えるリスクを考えます。想定押されるリスクは、地震、家事、落雷などの天災、紛争・テロといった人災、ほかにもパンデミックなど様々考えられます。それぞれのリスクが、リソースにどれだけのダメージを与えるか、復旧までにかかる時間や費用を整理しましょう

事前の対策をする

先ほどの工程で整理したリスクについて、どのような対策ができるか事前にできることに計画的に取り組みましょう。具体的には、地震の際に安否確認できるツールを導入したり、従業員教育を行ったり、機器の故障を防ぐために定期的なメンテナンスをすることです。リスクは考えようと思えば多くを想定できるので、発生頻度と想定されるダメージの観点から優先順位をつけて取り組みましょう。

緊急事態発生時の対応を決めておく

3つめは、緊急事態発生時の対応を決めておくことです。緊急事態が実際に起きるとパニックになりやすく、適切な避難行動をスムーズに行えない可能性があります。緊急時に慌てず行動できるように、事前に取るべき行動を決めて損害を最小限に収めましょう。緊急時の行動は大きく3つのフェーズに分けることができます。

最初の衝動対応では、従業員の安否確認やケガの応急手当損害個所の確認、重要書類やデータの退避などが含まれます。次の、緊急対応は被害状況の確認や顧客や取引先への連絡、復旧計画の作成が挙げられます。最後の段階である復旧対応は復旧計画に沿った取り組みの実施を指します。

 

企業と自治体BCP対策事例

各企業と自治体は実際にどのようにしてBCP対策をしているのでしょうか?具体的な方法を紹介します。

製造業におけるBCP対策の事例

製造業は原材料の調達、製品の生産、製品の出荷など多くの工程から成り立っている産業です。そのため災害でサプライチェーンが停止すると多くの被害が出ます。そのため、BCP対策が特に必要な産業となります。製造業のBCP対策は具体的に、製品の出荷ルートの多様化、生産設備の冗長化、原材料の仕入れ先の多様化や在庫の確保などが挙げられます。

例えば、トヨタ自動車では災害時の初動を早めるために部品の供給網を蓄積するRESCUEシステムを整備しています。また、サプライヤと平時から訓練を行って災害に強い供給網づくりを進めています。

建設業におけるBCP対策の事例

建設業は、インフラやビルなどを扱っているため、事故や災害で業務が止まると社会的に与える影響が大きいです。建設業のBCP対策としては、工期の変更や管理の柔軟な対応、従業員の健康管理や安全のための教育、工事現場や資材置き場の安全確保や事故対策などが挙げられます。実際に大林組では南海トラフ大地震を想定した訓練で災害対策本部を設置して安否確認の連絡網を構築しています。

運輸業におけるBCP対策の事例

運輸業のBCP対策としては、車両や施設の安全確保や防災対策、運送ルート、運航計画の見直しや変更などが当たります。例えば、日本航空は2019年に台風19号で飛行機が欠航した際に、欠航した便の代替え手段として、バスや新幹線を用意しました。また、ヤマト運輸では災害発生時にすべての荷物を平等に扱わずに、医薬品・生活必需品・救援物資を優先輸送する方針を発表しています。

販売業におけるBCP対策の事例

販売業は商品の原材料の仕入れ、加工、在庫管理、販売と多くの工程で成り立っているため、サプライチェーンが途絶しないためにBCP対策が重要になってきます。販売業のBCP対策としては、まず店舗の従業員の安全確保が必要です。安否確認システムの導入や店舗を避難先として安全対策を強化することなどが従業員の安全対策に繋がります。

また、オンライン販売やデリバリーを行うなどして販売チャネルの多様化することもBCP対策になります。ほかにも、商品の在庫計画・配送計画の見直し、顧客への情報周知も販売業のBCP対策に当たります。

金融業におけるBCP対策の事例

金融業は資金の管理や決済など経済の根幹をなす重要な役割を担う業界なので業務停止による社会的影響が大きくBCP対策が重要になります。金融業のBCP対策には金融システムのバックアップ・クラウド化、オンラインバンキングやモバイルバンキングなど非対面サービスの充実化、金融機関のATMなどの防災対策が挙げられます。

自治体のBCP対策

災害時に行政機関が停止することを防ぐために自治体もBCP対策が求められます。自治体のBCP対策には、非常用物資とインフラの確保、通信手段の多重化、重要なデータのバックアップ、首長不在時の対応の明確化などが含まれます。

 

BCP対策で注意すること

BCP対策を実施するにあたって注意が必要なことを説明します。

初期費用がかかる

例えば、BCP対策のために太陽光発電を導入する場合はどうしても、建築費・設備購入費で初期費用が掛かってしまいます。ただし、近年はPPAモデルという初期費用0円で太陽光発電が導入できる方法も存在します。PPAモデルを利用すれば、初期費用0円メンテナンス不要で太陽光発電を導入できます。その代わり、太陽光発電所はPPA事業者のものとなり毎月事業者から電気代を購入する必要が出てきます。

従業員の理解と訓練が必要

BCP対策において、いくら緊急時の対応を策定しても、実際に災害が起きた際にスムーズに行動できなければ被害が大きくなってしまい計画を策定した意味があまりなくなってしまう可能性があります。そのため、BCP対策で建てた計画は従業員に周知し、普段から緊急時に冷静に対応できるように訓練を行う必要があります。

 

まとめ

このようにBCP対策は社外からの評価向上や何よりも従業員を守るため、策定することが推奨されます。BCP対策には災害時の安否確認の連絡網の整備、代替えの設備やシステムを用意すること、要素を絞って業務を再開することなどが含まれます。太陽光発電を導入し、災害発生時の緊急電源とすることもBCP対策に含まれます。太陽光発電の導入は初期費用は掛かりますが、その分長期で見た経済的メリットは大きいです。

また、近年は初期費用やメンテナンスが必要ないPPAという導入方法も存在します。BCP対策は策定するだけでなく、日常的に周知や訓練を行い災害時に冷静に行動し早期に業務を再開できるように準備しましょう

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