高圧と低圧の違いとは?電気の料金・電圧・設備の違いを解説

高圧と低圧の違いとは?電気の料金・電圧・設備の違いを解説

高圧と低圧の電気契約における違いとは、主に「電圧」の基準、「料金体系」、そして「受変電設備」の有無という3つの点にあります。

一般的に、家庭や小規模な店舗では低圧電力が、工場や商業ビルなど多くの電気を消費する施設では高圧電力が利用されます。

この違いを理解することは、自社に適した電気契約を選び、コストを最適化する上で重要です。

本記事では、それぞれの特徴を詳しく解説します。

高圧と低圧を分ける3つの主な違い

高圧と低圧の電力契約は、単に供給される電圧が異なるだけではありません。

両者を区別する要素として、法律で定められた「電圧の基準」、月々の支払額に直結する「電気料金の体系」、そして電気を受け取るために必要な「受電設備の有無」という3つの明確な違いが存在します。

これらの違いは、契約者が負担する初期費用やランニングコスト、さらには管理義務にも大きく影響を与えます。

事業規模や電力使用量に応じて、どちらの契約が適しているか判断する際の重要な指標となります。

【違い1】法律で定められた電圧の基準

高圧と低圧は、電気設備に関する技術基準を定める省令によって、供給される電圧の高さで明確に区分されています。

この法律上の定義が、両者を分ける最も基本的な基準となります。

具体的には、電線路の電圧に応じて「低圧」「高圧」「特別高圧」の3種類に分けられており、それぞれに安全基準や適用される設備が異なります。

事業所の契約がどちらに該当するかは、この電圧の区分によって決まります。

家庭や小規模店舗で使われる「低圧」の電圧範囲

低圧に区分される電圧は、法律の基準で交流では600V以下、直流では750V以下と定められています。

一般家庭で使われる100Vや200Vの電気は、この低圧の範囲に含まれます。

電力会社の電柱に設置された変圧器によって低圧に変圧された電気が各家庭や小規模な店舗、事務所に供給されるため、利用者は特別な受電設備を設置する必要がありません。

契約電力が50kW未満の施設が対象で、何Vで電気が送られてくるかによって区別されます。

工場や大規模施設で使われる「高圧」の電圧範囲

高圧は、法律の基準で交流では600Vを、直流では750Vを超え、それぞれ7,000V以下の電圧範囲と定義されています。

電力は発電所から高い電圧のまま送られ、利用する施設側で電圧を下げて使用します。

このため、高圧電力を契約する工場、オフィスビル、スーパーマーケットなどの大規模施設では、敷地内にキュービクル式高圧受電設備を設置して、6,600Vで供給された電気を100Vや200Vに変圧します。

契約電力が原則50kW以上の施設が対象となります。

【違い2】月々の電気料金とその計算方法

【違い2】月々の電気料金とその計算方法

高圧と低圧のもう一つの大きな違いは、月々の電気料金とその算出方法にあります。

電気料金は主に、毎月定額で発生する「基本料金」と、使用量に応じて変動する「電力量料金」で構成されていますが、高圧と低圧ではそれぞれの単価や計算基準が異なります。

特に電力使用量の多い施設にとっては、この料金体系の違いが毎月のコストに大きく影響するため、契約を選択する上で極めて重要な比較ポイントとなります。

高圧電力は1kWhあたりの単価が割安に設定されている

高圧電力の大きな特徴は、電気使用量に応じて課金される電力量料金の単価(1kWhあたりの価格)が、低圧電力に比べて安価に設定されている点です。

これは、高圧契約者が自前で受変電設備を設置し、電力会社の配電網にかかる変圧コストや管理の手間を一部負担しているためです。

電力会社から見れば、供給にかかるコストが少ない分、単価を安く設定できます。

そのため、電力の使用量が多ければ多いほど、低圧契約との料金差が広がり、コストメリットが大きくなります。

基本料金の算出基準が異なる点もチェック

基本料金の決まり方も、高圧と低圧で大きく異なります。

低圧電力の基本料金は、ブレーカーの容量や、事前に設定した契約電力に基づいて算出されるのが一般的です。

一方、高圧電力の基本料金は実量制が採用されており、過去1年間の最大需要電力が契約電力となります。

つまり、30分間の平均使用電力が最も高かった値を基準に翌月からの1年間の基本料金が決まるため、電力使用のピークを抑えることがコスト削減に直結します。

【違い3】受電設備(キュービクル)の有無と管理義務

高圧と低圧を分ける物理的で最も分かりやすい違いが、受電設備の有無です。

低圧契約では電力会社の設備から直接電気が供給されるのに対し、高圧契約では電気を受け取るために自社で専用の設備を設置する必要があります。

この設備の設置には初期費用がかかるだけでなく、法律に基づいた保守・点検の義務も発生します。

そのため、高圧契約を検討する際は、電気料金のメリットと設備の管理コストを総合的に判断することが求められます。

高圧電力の契約にはキュービクルの設置が必須

高圧電力を契約する場合、電力会社の変電所から6,600Vで送られてくる電気を、施設内で使用可能な100Vや200Vに変換するための自家用受変電設備、通称「キュービクル」の設置が義務付けられています。

キュービクルは、変圧器や遮断器、保護継電器といった機器を金属製の箱に収めた設備です。

この設備を設置することで初めて高圧の電気を受け取ることが可能になります。

設置は専門の業者が行い、施設の規模に応じた容量の設備を選定します。

設備の保安点検や管理責任者の選任が求められる

キュービクルを設置した場合、その所有者は電気事業法に基づき、設備の安全を維持管理する義務を負います。

具体的には、設備の保安規程を作成し、国に届け出る必要があります。

さらに、設備の保安監督を行う「電気主任技術者」を選任し、定期的な保安点検(月次点検や年次点検)を実施しなければなりません。

有資格者を自社で雇用することが難しい場合は、保安点検を外部の専門業者に委託することも可能です。

これらの維持管理には継続的なコストが発生します。

敷地を見ればわかる!高圧か低圧かを見分ける簡単な方法

敷地を見ればわかる!高圧か低圧かを見分ける簡単な方法

自社の電気契約が高圧か低圧か分からない場合でも、専門的な知識がなくても簡単に見分ける方法があります。

契約書や電力会社からの請求書を確認するのが最も確実ですが、それが手元にない場合でも、事業所の敷地内を調べることで判別が可能です。

この見分け方は、特に施設の管理を引き継いだばかりの担当者などが、現状を素早く把握するのに役立ちます。

ポイントは、特定の設備が設置されているかどうかという、見た目で判断できる点です。

キュービクル(銀色の箱型の設備)を探してみよう

最も簡単な見分け方は、敷地内に「キュービクル」があるかどうかを確認することです。

キュービクルは、銀色やグレーの金属製の大きな箱の形をしており、通常は建物の裏手や駐車場、屋上などに設置されています。

内部には高圧の電気を安全に扱うための機器が収められており、「高圧危険」といった表示がされていることもあります。

この設備があれば高圧電力を契約しており、見当たらなければ低圧電力を契約していると判断してほぼ間違いありません。

高圧電力を契約するメリット

高圧電力を契約する最大のメリットは、経済的な側面にあります。

特に、多くの電力を恒常的に使用する事業者にとっては、月々の運営コストに直接的な影響を与えるため、契約の切り替えを検討する大きな動機となります。

低圧電力と比較して、料金単価が割安に設定されていることが、その中心的な利点です。

この価格差は、事業規模が大きくなるほど、また電力使用量が増えるほど、より顕著なコスト削減効果として現れます。

電気の使用量が多い施設ほど電気代を削減できる

高圧電力契約の最大のメリットは、1kWhあたりの電力量料金単価が低圧電力よりも安く設定されている点にあります。

そのため、工場や大型商業施設、病院、オフィスビルなど、電力の使用量が大きい施設ほど、低圧契約を継続する場合と比較して年間の電気代を大幅に削減できます。

毎月の電力使用量が多ければ多いほど、単価の差による削減額も大きくなるため、コスト削減を考える事業者にとって高圧契約は非常に有効な選択肢となります。

高圧電力を契約するデメリット

高圧電力の契約は電気料金の削減という大きなメリットがある一方で、導入と維持に伴うデメリットも存在します。

これらのデメリットは主としてコスト面と管理面に集約されます。

契約を検討する際には、料金的なメリットと、これから挙げるデメリットを天秤にかけ、自社の状況にとって本当に有益かどうかを慎重に判断する必要があります。

特に初期投資と継続的な維持管理の負担は、事前に把握しておくべき重要なポイントです。

受変電設備の導入に初期費用がかかる

高圧電力を利用するためには、キュービクルなどの受変電設備を自費で設置しなければなりません。

この設備の購入費や設置工事費には、規模や仕様によって数百万円から一千万円以上かかる場合もあり、大きな初期投資が必要です。

低圧契約から高圧契約へ切り替える際には、この導入コストが最初のハードルとなります。

設備の耐用年数や投資回収期間を考慮した上で、慎重な資金計画を立てることが求められます。

設備の維持管理や法定点検に継続的なコストが発生する

キュービクルは設置して終わりではなく、その後の維持管理にも継続的なコストが発生します。

電気事業法により、設備の所有者には定期的な保安点検(月次・年次)と、その監督を行う電気主任技術者の選任が義務付けられています。

多くの事業所では、これらの業務を外部の保安管理業者に委託しており、その委託費用が毎月のランニングコストとなります。

また、経年劣化による設備の修繕や更新にも別途費用がかかります。

高圧と低圧の違いに関するよくある質問

ここでは、高圧電力と低圧電力の違いに関して、事業者の方から寄せられることの多い質問とその回答をまとめました。

自社の契約内容の確認方法や、契約の切り替え、さらに上位の電圧区分である「特別高圧」との違いなど、具体的な疑問について簡潔に解説します。

Q1. うちの工場は高圧契約ですか?確認方法はありますか?

敷地内にキュービクルがあれば高圧契約です。

最も確実なのは、電力会社からの電気ご使用量のお知らせを確認する方法で、供給電圧や契約種別の欄に高圧と記載されています。

Q2. 今は低圧契約ですが、高圧契約に切り替えることは可能ですか?

電力使用量などの条件を満たせば切り替えは可能です。

ただし、高圧の電気を受けるためのキュービクル設置工事が必要で、初期費用が発生します。

電気代が安くなるメリットと、設備投資・維持費を比較検討することが重要です。

Q3. 「特別高圧」というのも聞きますが、何が違うのですか?

電圧の区分が異なります。

特別高圧(特高)は7,000Vを超える電圧で、高圧よりもさらに大量の電力を消費する大規模工場や鉄道会社などで利用されます。

高圧との違いは電圧の高さと、より大規模な受電設備が必要な点です。

まとめ

高圧と低圧の主な違いは、法律で定められた電圧の基準、料金体系、そしてキュービクルという受電設備の有無にあります。

交流600Vを境に区分され、一般的に契約電力が50kW以上で多くの電気を使用する工場やビルは高圧、それ以下の家庭や小規模店舗は低圧となります。

高圧は電気単価が安いメリットがある一方、設備投資や維持管理のコストが必要です。

自社の電力使用状況を把握し、太陽光発電の導入なども含めて総合的に判断することが、コスト最適化につながります。

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