太陽光発電の法人化|個人からのメリット・デメリットと節税のタイミング

太陽光発電の法人化|個人からのメリット・デメリットと節税のタイミング

個人で始めた太陽光発電投資の利益が大きくなるにつれて、法人成りすべきか悩む方は少なくありません。

法人化には、税負担を軽減できる節税メリットがある一方、設立費用や事務的な手間が増えるデメリットも存在します。

この記事では、太陽光発電を法人化する適切なタイミングや具体的なメリット・デメリット、個人から法人へ資産を移管する手続きについて解説します。

Contents

太陽光発電の法人化を検討すべき具体的なタイミング

太陽光発電事業の法人化を検討する際は、所得や売上が一定の基準を超えたタイミングが目安となります。

特に個人の所得税と法人税の税率差や、消費税の納税義務が発生する売上高を基準に判断するのが一般的です。

これらの基準に達すると、個人事業主のまま事業を続けるよりも、法人化した方が税金の負担を抑えられる可能性が高まります。

年間の課税所得が900万円を超えたとき

年間の課税所得が900万円を超えると、法人化を検討する一つの目安になります。

個人の所得税は課税所得が増えるほど税率が高くなる累進課税が採用されており、900万円を超えると税率は33%です。

一方、資本金1億円以下の中小法人の法人税率は、所得800万円以下の部分が15%、800万円超の部分が23.2%です。

所得税と法人税の実効税率が逆転するこのタイミングで法人化すると、税負担を軽減できる可能性があります。

年間の売電収入が1,000万円を超えたとき

年間の売電収入が1,000万円を超えたときも、法人化を検討すべきタイミングです。

個人事業主でも法人でも、課税売上高が1,000万円を超えると、その2年後から消費税の課税事業者となり納税義務が生じます。

しかし、新たに法人を設立すると、原則として設立から最大2年間は免税事業者となるため、その期間の消費税納税を遅らせることで節税効果が期待できます。

太陽光発電を法人化する5つのメリット

太陽光発電を法人化する5つのメリット

太陽光発電事業を法人化することで、節税効果以外にもさまざまなメリットが期待できます。

特に経費の範囲拡大や社会的信用の向上は、事業を長期的に運営していく上で大きな利点となります。

中小企業向けの税制優遇を活用できる可能性もあり、個人のまま事業を続けるよりも有利になるケースは少なくありません。

所得税より法人税が安くなり節税につながる

法人化の最大のメリットは、個人の所得税より法人税の税率が低くなることによる節税効果です。

所得税は最大45%の累進課税ですが、法人税は所得金額にかかわらず税率が一定です。

そのため、課税所得が一定額(約900万円)を超えると、法人の方が税負担は軽くなります。

また、役員報酬として給与所得控除を活用すれば、さらに税金の負担を抑えることが可能です。

太陽光発電の法人向け節税対策!即時償却など税制優遇を解説

経費として認められる範囲が個人事業主より広がる

法人化すると、経費として計上できる費用の範囲が個人事業主よりも広がります。

例えば、経営者自身への役員報酬や退職金、生命保険料の一部などを経費として計上できます。

また、個人事業主では家事按分が必要だった自宅兼事務所の家賃や光熱費も、社宅として契約すればより多くの割合を経費に算入できる場合があります。

赤字(欠損金)を最大10年間繰り越せる

法人は、事業で生じた赤字(欠損金)を最大10年間繰り越すことが可能です。

これは、個人事業主(青色申告)の繰越期間が3年間であるのに比べて大きなメリットです。

自然災害による設備の故障や大規模な修繕で多額の費用が発生し、単年度で赤字になった場合でも、翌年以降10年間の黒字と相殺して法人税の負担を軽減できます。

社会的信用度が上がり金融機関からの融資を受けやすくなる

法人化することで、個人事業主よりも社会的信用度が高まります。

法人は登記事項証明書や決算書の開示義務があるため、事業の透明性が高く、金融機関からの評価が向上します。

これにより、太陽光発電所の追加購入や設備投資を行う際に、融資の審査が通りやすくなる傾向があります。

特に中小企業向けの融資制度を利用しやすくなる点は大きな利点です。

相続時に事業承継の手続きがスムーズに進む

事業承継を円滑に進められる点も法人化のメリットです。

個人事業主の場合、事業主が亡くなると太陽光発電設備そのものが相続財産となり、複数の相続人がいると分割が困難になるケースがあります。

一方、法人であれば会社の株式を相続することで事業全体を引き継げるため、資産が分散せず、名義変更などの煩雑な手続きを簡素化できます。

太陽光発電の法人化で注意すべき3つのデメリット

太陽光発電の法人化で注意すべき3つのデメリット

太陽光発電の法人化はメリットばかりではありません。

会社設立に伴う初期費用や、事業が赤字でも発生する税金、経理処理の複雑化といったデメリットも存在します。

これらのコストや手間を事前に理解し、メリットが上回るかどうかを慎重に判断することが重要です。

会社設立に登録免許税などの初期費用がかかる

法人設立には、定款認証手数料や登録免許税などの法定費用がかかります。

株式会社を設立する場合、合計で約20万円以上の費用が必要です。

一方、合同会社であれば登録免許税が最低6万円からとなり、株式会社よりは費用を抑えられます。

これらの初期費用に加えて、司法書士などに手続きを依頼する場合は別途手数料が発生します。

赤字でも法人住民税の均等割が発生する

法人は、事業の利益がゼロや赤字の場合でも、法人住民税の「均等割」を納付する義務があります。

これは、法人が所在する自治体に対して支払う税金で、資本金の額や従業員数に応じて金額が決まります。

最低でも年間約7万円の固定コストが発生するため、売電収入が不安定な場合には大きな負担となるデメリットです。

法人税と異なり、利益に関係なく支払い義務が生じます。

経理や税務申告など事務的な負担が増える

法人化すると、経理や税務に関する事務負担が大幅に増加するデメリットがあります。

個人の確定申告と比べて、法人の決算申告は複雑な会計処理や多数の書類作成が求められます。

会計帳簿は複式簿記で作成する必要があり、専門的な知識が不可欠です。

多くの企業が税理士に依頼しますが、そのための顧問料という新たなコストが発生します。

個人から法人へ太陽光発電設備を移管する手続きの流れ

個人で所有している太陽光発電所を新しく設立した法人へ移管するには、法的な手続きを正しい順序で進める必要があります。

会社を設立した後、個人と法人の間で資産の売買契約を結び、関係各所への名義変更を完了させるのが一般的な流れです。

各ステップを確実に実行することで、スムーズな資産移管が実現します。

STEP1. 株式会社または合同会社を設立する

最初に、株式会社または合同会社を設立します。

まず、商号(会社名)、事業目的、本店所在地、資本金額などを決定し、会社の基本ルールである定款を作成します。

事業目的には「再生可能エネルギーによる発電及び売電事業」といった内容を記載します。

定款が完成したら公証役場で認証を受け、法務局で設立登記を申請することで法人設立が完了します。

STEP2. 個人から法人へ設備を売却する契約を結ぶ

会社が設立されたら、次に個人と法人の間で太陽光発電所の売買契約を締結します。

このとき、売却価格をいくらに設定するかが重要です。

極端に安い価格で売却すると、差額が個人から法人への贈与とみなされ、法人側に受贈益が発生して課税される可能性があります。

そのため、設備の時価や市場価格を参考にした適正な価格で取引を行う必要があります。

STEP3. FIT認定と電力会社の名義を変更する

資産の売買契約が完了したら、FIT(固定価格買取制度)認定の名義を個人から法人へ変更する手続きが必要となります。

FIT認定の名義変更は、経済産業省が運営する再生可能エネルギー電子申請を通じて行います。

JPEA(太陽光発電協会)の公式FAQによると、FIT制度における名義変更は「相続」「贈与」「氏名変更」が認められており、個人から法人への名義変更は「譲渡」に該当する場合があり、補助金の一部返還が必要になる可能性があります。

FIT認定の名義変更が承認された後、契約している電力会社に対しても名義変更の手続きを行います。

この変更が完了して初めて、売電収入が法人へ振り込まれるようになります。

太陽光発電投資を継続する上で不可欠な手続きです。

STEP4. 融資(ローン)の債務者を法人へ引き継ぐ

太陽光発電設備の購入にローンを利用している場合、その債務者を個人から法人へ引き継ぐ手続きが必要です。

これを「債務引受」といい、融資を受けている金融機関の承諾が求められます。

金融機関は、設立されたばかりの法人の事業計画や財務状況を審査するため、必ずしも承認されるとは限りません。

承認されない場合は、個人でローンを返済し続けるか、別の方法で資金を調達して繰り上げ返済するなどの対応を検討する必要があります。

太陽光発電の法人化に関するよくある質問

太陽光発電の法人化を検討する際には、税金の扱いや会社形態の選択など、さまざまな疑問が生じます。

特に消費税の扱いや、副業の場合に勤務先に知られてしまうリスクは、法人設立前に解消しておきたい点です。

ここでは、よくある質問とその回答をまとめました。

法人化すると消費税の扱いはどうなりますか?

資本金1,000万円未満で法人を設立した場合、原則として設立後最大2年間は消費税の納税が免除されます。

ただし、インボイス制度に登録して適格請求書発行事業者になる場合は、設立初年度から課税事業者となり納税義務が生じます。

売電先の電力会社からインボイス登録を求められるケースが多いため、実質的には免税の恩恵を受けられない可能性も考慮しておく必要があります。

税金の扱いは専門的な判断を要するため、税理士への相談をおすすめします。

太陽光発電のためだけに設立する法人の種類はどちらがいいですか?

設立費用を抑え、迅速に事業を開始したい場合は合同会社が適しています。

合同会社は株式会社に比べて設立費用が安く、定款認証も不要で、経営の自由度が高いのが特徴です。

一方、将来的に事業を拡大したり、外部からの資金調達を検討したりする可能性がある場合は、社会的信用度の高い株式会社が有利です。

中小企業の多くは合同会社を選択する傾向がありますが、自身の事業計画に合わせて選択します。

法人設立はどちらの形態を選ぶかで、その後の運営にも影響が出ます。

副業で太陽光発電をしていますが、法人化すると会社にばれますか?

法人から役員報酬を受け取ると、住民税の金額が変動するため、勤務先の給与から天引きされる住民税の通知(特別徴収)を通じて会社の経理担当者に知られる可能性があります。

対策として、法人からの役員報酬をゼロに設定するか、役員報酬分の住民税の徴収方法を、自分で納付する「普通徴収」に切り替えることで、会社に知られるリスクを低減できます。

ただし、自治体によっては普通徴収への切り替えが認められない場合もあるため、事前に確認が必要です。

個人のプライバシーに関わるため、慎重な対応が求められます。

まとめ

太陽光発電投資において法人化を検討する主な目的は、所得税と法人税の税率差を利用した節税です。

年間の課税所得が900万円を超える、あるいは売電収入が1,000万円を超えるタイミングが、法人化のメリットを享受しやすくなる一つの目安となります。

法人化には経費範囲の拡大や社会的信用の向上といったメリットがある一方、設立費用や法人住民税、事務負担の増加といったデメリットも存在します。

これらのメリット・デメリットを総合的に比較し、自身の事業規模や将来の展望を踏まえた上で、最適な判断を下すことが重要です。

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