太陽光発電を企業が導入するメリットとデメリットをわかりやすく解説!
近年、SDGsやESG経営への関心の高まりから、再生エネルギーの調達手段として太陽光発電への注目が高まっていす。太陽光発電を企業が導入するメリットはどのようなものがあるでしょう。この記事では企業が太陽光発電を導入するメリットやデメリット、実際に太陽光発電を導入する方法について説明します。
Contents
太陽光発電とは?
太陽光発電とは、太陽の光エネルギーを電力に変換する仕組みのことです。発電時に石油・石炭などの化石燃料を使用せず、温室効果ガスの排出量が少ないため、再生可能エネルギーとして注目されています。再生可能エネルギーの導入は年々増加しており、環境省によると電源構成比は2022年度に21.7%に拡大したと報告されています。
太陽電池(ソーラーパネル)で太陽光を受けて直流の電気を生成し、パワーコンディショナーで交流の電力に変換して、家庭や事業所で使用します。出力が10kW未満の太陽光発電は住宅用太陽光発電、10kW以上の施設は産業用太陽光発電と呼ばれ、区別されています。
企業が太陽光発電を導入するメリット
企業が太陽光発電を導入するメリットについて順番に説明していきます。
環境保全につながる
企業が太陽光発電を導入する最大のメリットの一つは、発電の過程で温室効果ガスである二酸化炭素を排出しないため、直接的な環境保全に貢献できる点です。現在、世界的に地球温暖化対策が急務となっており、日本政府も2050年までのカーボンニュートラル実現を掲げています。企業が自社設備で再生可能エネルギーを創出することは、化石燃料への依存を減らし、脱炭素社会の実現に向けた具体的なアクションとなります。
このような取り組みは、国際的な目標であるSDGsの達成に寄与するだけでなく、企業の社会的責任を果たす姿勢として、顧客や取引先からの信頼獲得に直結します。特に近年は、環境(Environment)、社会(Social)、企業統治(Governance)の要素を重視するESG経営が企業の持続的成長に不可欠な指標となりました。環境への配慮を怠る企業は投資対象から外されるリスクがある一方、積極的に太陽光発電などを取り入れる企業は、ESG投資家から高い評価を得やすくなります。
結果として、環境保護への投資は単なるコストではなく、ブランドイメージの向上や、有利な条件での資金調達を可能にする戦略的なメリットをもたらします。持続可能な事業運営を対外的に証明する有力な手段として、太陽光発電の導入は極めて有効な選択肢となります。
電気代を節約できる
企業が太陽光発電を導入する最大の直接的なメリットは、月々の電気代を大幅に削減できる点にあります。自社で発電した電力を施設内で直接使用する「自家消費」を行うことで、電力会社から購入する電力量を物理的に減らすことが可能です。昨今の世界情勢の不安定化や円安の影響を受け、燃料調整費を含めた電気料金の高騰が続いていますが、太陽光発電は燃料を必要としないため、社会情勢に左右されない安定した電源として機能します。
特に効果を発揮するのが、基本料金の抑制につながる「ピークカット」です。企業の電気料金の基本料金は、過去1年間の最大需要電力(デマンド値)によって決定されます。エアコンなどの空調利用が増える夏場の昼間など、電力消費がピークに達する時間帯に太陽光パネルで発電した電力を充てることで、最大デマンド値を抑えることができます。これにより、単なる使用量の削減にとどまらず、年間を通じた基本料金のベースダウンを実現し、長期的な固定費の削減に大きく寄与します。
また、屋根に太陽光パネルを設置することによる遮熱効果も見逃せません。パネルが直射日光を遮ることで、夏場であれば最上階の室内温度が数度低下するというデータもあり、空調効率の向上によるさらなる節電効果が期待できます。高騰するエネルギーコストへの防衛策として、太陽光発電は極めて有効な投資となります。
BCP対策になる
太陽光発電システムを導入し、蓄電池と組み合わせて活用することは、企業や法人のBCP(事業継続計画)を強化する上で極めて有効な手段となります。BCP対策とは、大規模な自然災害や感染症の流行、サイバー攻撃といった緊急事態に直面した際、損害を最小限に抑えつつ、重要業務を中断させない、あるいは早期に復旧させるための行動計画を指します。
自社に太陽光発電設備があれば、停電が発生した際でも、太陽光が当たる日中であれば、システムの種類や規模に応じて非常用コンセントから電力を供給することが可能です。停電時には一度電力供給が停止しますが、その後蓄電池が自立運転モードに切り替わることで、設定された機器へ電力を供給できます。さらに、大容量の蓄電池を併用することで、日中に発電した電力を夜間や雨天時にも利用できるようになります。これにより、数日間にわたる広域停電が発生した場合でも、サーバーやPC、通信機器などのITインフラを完全に停止させることなく運用し続け、外部との連絡手段を確保できます。
電力の自給自足が可能な体制を整えることは、従業員の安全確保や帰宅困難者への対応を円滑にするだけでなく、サプライチェーンの一翼を担う企業としての信頼性を高めます。災害時でも事業を止めない姿勢は、取引先に対して「安定供給能力がある企業」という強力な安心感を与え、中長期的な企業価値の向上に直結します。不測の事態における事業停止リスクを軽減する強力な防衛策として、太陽光発電と蓄電池のセット導入は不可欠な投資といえます。
売電収入を得ることができる
太陽光発電システムで生み出した電力は、自社で消費するだけでなく、電力会社に売却して現金収入を得る運用も可能です。特に、国が再生可能エネルギーの普及を目的として制定した「FIT制度(固定価格買取制度)」を活用すれば、あらかじめ設定された一定の単価で、長期間にわたって電力を買い取ってもらうことができます。この制度の最大の特徴は、市場価格の変動に左右されず安定した収益を見込める点にあり、設備投資の回収計画を立てやすくなるという経営上の大きな利点をもたらします。
また、発電した電力をまずは自社の設備で使い、使い切れずに余った分だけを売却する「余剰売電」を選択することも可能です。これにより、日中の電気代を削減しながら、余ったエネルギーを無駄なく収益化できるため、経済的な合理性が非常に高まります。
ただし、売電制度の適用には条件がある点に注意が必要です。2020年度以降の制度改正により、10kW以上50kW未満の低圧区分に該当する産業用太陽光発電については、発電した電力の少なくとも30パーセント以上を自社で消費する「自家消費優先」が認定の条件となりました。そのため、現在は全量を売却するモデルよりも、自社利用と売電を組み合わせたハイブリッドな運用が一般的となっています。
太陽光発電を導入するデメリット
企業が太陽光発電を導入する場合のデメリットについて説明します。
初期費用がかかる
太陽光発電を自社で導入する際、初期費用の負担は大きな懸念点となります。システムの構築には、太陽光パネル本体の代金だけでなく、直流電力を交流に変換するパワーコンディショナー、架台、配線器具などの設備費に加え、設置工事費や経済産業省への事業計画策定といった事務手数料も発生します。
経済産業省が公表した資料では、事業用太陽光発電の設置単価について、2022年の地上設置(10kW以上)の上位15%水準で15.5万円/kW、2023年度の10-50kWの想定値で17.8万円/kWとされています。例えば、中規模な施設で30kWのシステムを導入する場合、単純計算で約465万円(15.5万円/kWの場合)から約534万円(17.8万円/kWの場合)程度の投資が必要です。以前のデータでは450万円程度と算出されることもありましたが、近年の資材価格の高騰や人件費の上昇により、実際の見積額はさらに膨らむ傾向にあります。
このように数百万円から数千万円単位の資金が必要となるため、キャッシュフローへの影響を無視することはできません。ただし、国や自治体は脱炭素経営を推進するため、PPAモデルの活用や自己託送を条件とした手厚い補助金制度を設けています。これらを戦略的に活用することで実質的な負担を大幅に軽減できるため、最新の公募情報を確認し、綿密な収支シミュレーションを行うことが重要です。
定期的なメンテナンスが必要
太陽光発電設備を長期間にわたって安全かつ効率的に運用するためには、定期的なメンテナンスが欠かせません。2017年に施行された改正FIT法により、事業用太陽光発電においても保守点検と維持管理が義務化されました。専門業者による定期点検の頻度は、一般的に4年に1回以上が目安とされています。点検では、パネルの割れや汚れの目視確認だけでなく、専用の測定器を用いた絶縁抵抗の確認や、パワーコンディショナーの動作確認、配線の腐食チェックなど、専門的な技術を要する項目が多岐にわたります。
こうした定期点検に加え、週に数回程度の日常的な自主点検を継続することも重要です。太陽光パネルは屋外に設置されているため、鳥の糞や飛来物による汚れが蓄積すると、発電効率が低下するだけでなく、局所的に高温となるホットスポット現象を引き起こし、火災の原因になることもあります。また、パワーコンディショナーのフィルター目詰まりによる停止や、接続箱の端子部の緩みといった不具合を早期に発見できれば、重大な事故や発電損失を未然に防ぐことが可能です。安定した売電収入や節電効果を維持し、資産価値を損なわないためにも、計画的な管理体制の構築が求められます。
設置面積を取る
企業が太陽光パネルを自社で導入する際、物理的な制約として直面するのが広大な設置面積の確保です。太陽光発電設備を設置するために必要な面積は、パネル自体の寸法に加えて、メンテナンス用の作業スペースや隣り合うパネル同士の影を避けるための離隔距離を含めて計算しなければなりません。一般的に、産業用太陽光発電において出力1kWあたりに必要となる面積の目安は、およそ10平方メートルから15平方メートル程度と言われています。
具体的な例を挙げると、一般的な中小規模の工場や倉庫で想定される30kWのシステムを導入する場合、必要となるスペースは300平方メートルから450平方メートルに及びます。これは標準的なスーパーマーケットの店舗面積に匹敵する広さであり、敷地内にそれだけの余剰スペースや強固な屋根面積があることが前提となります。さらに、設置場所の日照条件や周囲の建物の高さによっても効率が左右されるため、単純な広さだけでなく「影にならない場所」という質的な条件も満たす必要があります。
もし自社の敷地内に十分な設置面積を確保できない場合でも、太陽光発電の恩恵を受ける方法は存在します。例えば、遠隔地の発電所から自社へ送電するオフサイトPPAや、発電に伴う環境価値のみを取引するバーチャルPPAといった手法を活用すれば、スペースの制約に縛られることなく再生可能エネルギーの導入を実現できます。自社の土地状況に合わせて、最適な導入形態を検討することが不可欠です。
太陽光発電の導入を特におすすめする業種
輸送業
物流倉庫や配送センターを擁する輸送業は、太陽光発電の導入に極めて適した業種です。これらの施設は一般的に屋根面積が広大であり、遮蔽物の少ない屋上に大量のソーラーパネルを効率的に敷き詰めることが可能です。
また、大規模な倉庫では照明や空調を維持するために絶えず大量の電力を消費します。発電した電気を自社施設で直接利用する自家消費型運用を取り入れることで、高騰する電力会社からの購入量を大幅に削減でき、売電を行わなくても高い経済的メリットを得られます。
屋根にパネルを設置することは遮熱効果による空調負荷の軽減にもつながり、電力需要の高い日中のコスト抑制に大きく寄与します。広大なスペースを有効活用しつつ、安定した経営基盤を築く手段として非常に有効な選択肢です。
製造業
製造業において太陽光発電の導入は、電力コスト削減の観点から非常に大きな価値があります。工場では大型機械やラインが絶えず稼働しているため、電力消費量が極めて多く、高圧や特別高圧での受電が一般的です。こうした施設に太陽光パネルを設置することで、購入電力量を直接的に減らすことが可能になります。
特に、製造現場の稼働ピークとなる平日の日中と、太陽光発電が最も活発に行われる時間帯が一致している点は大きな強みです。発電した電力をそのまま自社で消費する自家消費の効率が極めて高く、無駄のないエネルギー運用を実現できます。
また、工場の広大な屋根スペースを有効活用できる点も製造業ならではの利点です。遮蔽物の少ない屋根に大量のパネルを敷き詰めることで、スケールメリットを活かした効率的な発電が期待できます。さらに、屋根への設置は断熱効果も副次的に生むため、夏場の空調負荷軽減にもつながります。
小売りサービス業
ショッピングモールなどの大型商業施設を運営する小売りサービス業は、太陽光発電による恩恵を非常に受けやすい業種です。店舗の広大な屋根スペースを有効活用できるだけでなく、照明や空調設備によって日中の電力消費量が多いため、発電した電気を効率よく自社で消費できます。
太陽光発電の導入は、環境に配慮した「脱炭素店舗」としてのブランドイメージを消費者に直接アピールできる点も大きな魅力です。
また、屋根以外にも、来客用駐車場のスペースを利用したソーラーカーポートの設置も有力な選択肢となります。駐車車両を日差しや雨から守りつつ発電できるため、顧客満足度の向上とエネルギーコスト削減を同時に実現できます。
太陽光発電を導入する方法
太陽光発電を導入するには、自社で所有する方法かPPAで導入するかの大きく2つ方法があります。それぞれ説明していきます。
自社で購入する
太陽光発電を自社で導入する場合はEPC事業者を使いましょう。EPC事業者とは、Engineering(設計)、Procurement(調達)、Construction(建設)の3つの工程を一貫して引き受ける事業者のことです。太陽光発電の導入過程において、施設の企画から、導入、工事、メンテナンスまで一貫して請け負ってくれるので、複数の業者とのやり取りが発生せず手軽で、問題が起きオタ場合の責任の所在も明確です。
自社で購入する場合とPPAを利用する場合の大きな違いは売電が可能かどうかです。自社で所有する太陽光発電は、売電が可能で毎月無料で発電所で発電した電気を自家消費できるので、長期的に見た場合の経済的メリットが大きいです。
PPAモデルで導入する
PPAモデルとは、第三者所有モデルともいわれる、電力需要家が発電所を直接保有せずに、一定の契約期間の間、事業者が設置した太陽光発電から電力を購入するという方法のことです。自社所有との大きな違いは、初期費用が0円であるという点です。PPAモデルでは、自社で所有しないため、売電はできませんが、初期費用が掛からず、メンテナンスの必要ありません。ただし、発電所で発電した電力は毎月、PPA事業者から購入する必要があります。
自社所有とPPAどちらがいいか
太陽光発電を自社に導入する場合は、導入する目的を整理しPPAか自社所有のどちらがいいか決めましょう。自社所有の利点は長期的に見た場合の経済的メリットが高いことです。一方で、PPAのメリットは初期費用の掛からない手軽さです。
また、PPAには会社の敷地内に太陽光発電を設置するスペースがない場合でも、敷地外の場所に発電所を設置し電力を供給するオフサイトPPAや電力を直接供給せず、再生可能エネルギーの持つ環境価値だけを供給してもらうバーチャルPPAが存在します。太陽光発電を設置し、再生可能エネルギーを取り入れる際は目的に合った方法を選択しましょう。
まとめ
このように太陽光発電を導入することは企業のブランドイメージの向上、電気代の節約、BCP対策といった点で大きなメリットが存在します。一方で、高い初期費用がかかり、定期的なメンテナンスが必要といった課題もあります。ただし、PPAモデルを利用すれば初期費用0円、メンテナンス不要で手軽に太陽光発電の導入が可能になります。太陽光発電を導入する際は、目的をしっかりと整理してどのような方法で導入するか検討を尽くした上で設置しましょう。
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