ZEBとは?補助金は使える?わかりやすく解説!
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ZEBとは?
ZEB(ネット・ゼロ・エネルギー・ビル)とは、建物で消費する年間の一次エネルギー消費量を、徹底した省エネと太陽光発電などの創エネによって、正味(ネット)でゼロにすることを目指した建物のことです。私たちが普段利用している電気や都市ガスなどの二次エネルギーは、自然界に存在する石油や石炭、太陽光といった一次エネルギーを加工して作られています。ZEBは、この大もととなる一次エネルギーの収支を実質ゼロにすることを目標としています。
建物内では人が活動するため、エネルギー消費を完全にゼロにすることは困難です。しかし、高断熱材やLED照明、高効率な空調設備などを導入してエネルギー効率を極限まで高める「省エネ」と、太陽光発電などでエネルギーを産み出す「創エネ」を組み合わせることで、実質的な消費量をゼロに近づけることが可能となります。
対象となるのは、オフィスビルをはじめ、学校、工場、病院、商業施設といった業務用の建築物です。2050年のカーボンニュートラル実現に向け、エネルギー需給の抜本的な改善が求められる中、ZEBは建物の資産価値を高めるだけでなく、地球環境の保護に直結する次世代の建築スタンダードとして大きな注目を集めています。
ZEHとの相違点
ZEBと非常によく似た概念に、ZEH(ゼッチ)という言葉があります。ZEHは「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス(Net Zero Energy House)」の略称であり、建築物全体のエネルギー収支をゼロに近づけるという基本的な考え方はZEBと共通しています。しかし、両者の最大の違いは対象となる建築物の種類です。ZEBがオフィスビルや工場、学校、病院といった業務用の建築物を対象とするのに対し、ZEHは戸建住宅や集合住宅などの居住用建築物を対象としています。いわば、ZEBの住宅版がZEHであると捉えるのが分かりやすいでしょう。
どちらも省エネ性能を高める設備と、太陽光発電などの創エネ設備を組み合わせることで、年間の一次エネルギー消費量の収支を正味でゼロにすることを目指します。国が定める基準においても、ZEBに「Nearly ZEB」や「ZEB Ready」などの段階があるように、ZEHにも「ZEH-M(ゼッチ・マンション)」や「Nearly ZEH」といった達成レベルに応じた細かな基準が設けられています。
このように、ZEBとZEHの違いは主に「非住宅」か「住宅」かという点に集約されます。どちらも2050年のカーボンニュートラル実現に向けた重要な施策であり、日本の建築業界における省エネ基準の柱となっています。事業者が自社ビルなどの建設計画を立てる際には、住宅向けのZEHではなく、業務部門の基準であるZEBの要件を確認する必要があります。
ZEBの背景
ZEBが注目されるようになった背景には、地球温暖化対策に向けた世界的な潮流と日本政府による強力な方針決定があります。2020年、政府は2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする「カーボンニュートラル」を目指すことを宣言しました。この目標を達成するためには、エネルギー消費の多くを占める産業部門や業務部門での抜本的な対策が避けられません。
実際に、日本のエネルギー消費統計を見ると、オフィスビルや商業施設などの業務部門が占める割合は依然として高く、この分野での省エネ化がカーボンニュートラル実現の鍵を握っています。こうした状況を受け、政府は「地球温暖化対策計画」において、2030年度までに新築される建築物でZEB基準の水準を確保すること、さらに2050年にはストック(既存建築物)の平均でZEB基準の水準を目指すという意欲的な目標を掲げました。
加えて、近年の異常気象による災害の激甚化や、エネルギー価格の高騰といった社会情勢の変化もZEB普及の後押しとなっています。企業にとって環境負荷の低減は、単なる社会貢献ではなく、持続可能な経営を行うための必須課題となりました。ZEBは、環境保護と経済性の両立を実現する具体的な解決策として、現在の建築業界において最重要視されているのです。
ZEBを実現するメリット
光熱費の節約
ZEBを導入する最大の直接的なメリットは、運用における光熱費の大幅な削減です。ZEBは建物全体のエネルギー収支をゼロに近づけることを目的としており、高断熱材や高効率な空調・照明設備を導入する「省エネ」と、太陽光発電などでエネルギーを創り出す「創エネ」を組み合わせます。
具体的には、一般的なオフィスビルと比較して、一次エネルギー消費量を50パーセント以上削減した上で、消費した分のエネルギーを自社の発電設備で賄います。これにより、外部の電力会社やガス会社から購入するエネルギー量を最小限に抑えることが可能です。例えば、環境省の公表データによれば、ZEB化を実現した施設の中には、年間のエネルギー削減率が創エネを含めて100パーセントを超え、実質的な光熱費負担がほぼゼロ、あるいは売電収入によって収支がプラスになる事例も報告されています。
昨今の世界的な社会情勢によるエネルギー価格の高騰は、企業の経営を圧迫する大きなリスク要因となっていますが、ZEB化された建物であれば外部環境の変化に左右されにくい安定した経営基盤を構築できます。初期投資は必要ですが、長期的な視点で見れば、毎月の固定費である光熱費を劇的に抑えられるため、非常に高いコストパフォーマンスを発揮します。
企業ブランドの向上
ZEBを導入することは、地球環境に配慮した持続可能な経営姿勢を社外へ強力に発信する手段となります。近年、世界的にカーボンニュートラルへの関心が高まる中で、自社ビルや施設をZEB化する取り組みは、単なる光熱費削減に留まらない大きな付加価値を生み出します。
特に注目すべきは、ESG投資家からの高い評価です。ESGとは、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった言葉であり、現代の投資判断においてこれらの要素は欠かせない指標となっています。環境負荷を最小限に抑えるZEBの達成は、企業の長期的な生存戦略やリスク管理能力の証明と見なされるため、資金調達の機会を広げる強力な武器となります。
また、ZEBの認証を得ることで、SDGs(持続可能な開発目標)への具体的な貢献をデータとして公表できるようになります。こうした裏付けのある環境経営は、取引先や顧客からの信頼獲得に直結し、競合他社との差別化や優秀な人材の確保にも良い影響を与えます。実際に、環境意識の高い企業として認知されることで、ブランド価値が大幅に向上した事例も少なくありません。ZEBの実現は、社会的な責任を果たす先進的な企業であることを証明し、中長期的な成長を支える重要な基盤となります。
快適性の向上
ZEBを導入する大きな利点は、消費エネルギーの削減だけでなく、建物内で働く人や利用する人の快適性が飛躍的に向上する点にあります。ZEB化の核となる断熱性能の強化や、遮熱性能を備えた外皮(外壁や窓など)の導入は、室内の熱環境を安定させるために極めて有効です。
具体的な技術例として、高性能な断熱材やLow-E複層ガラスを用いた外皮断熱が挙げられます。これらの技術により、夏場は屋外からの強い日射熱を遮り、冬場は室内の暖かな空気が逃げるのを防ぎます。その結果、外気温の影響を受けにくい魔法瓶のような空間が形成され、一年中過ごしやすい室温を維持できます。
また、ZEBは窓際の温度差を解消する効果もあります。従来の建物では、冬場に窓際が冷え込むコールドドラフト現象が起きがちでしたが、開口部の断熱性を高めることで足元の冷えが改善されます。実際にZEB化を行った宿泊施設の事例では、改修前は窓際が寒いという利用者の不満がありましたが、複層ガラスの導入後は快適性が向上したというデータも報告されています。このように、ZEBはエネルギー効率の追求と、ストレスのない上質な室内環境の構築を同時に達成する優れた手法といえます。
不動産価値の向上
近年、SDGsへの取り組みや2050年のカーボンニュートラル実現に向けた動きが加速する中で、ZEBの達成は不動産としての価値を大きく高める要因となっています。ZEB化されたビルは、脱炭素社会の実現に直接貢献する先進的な物件として評価され、環境意識の高い企業からの入居需要が非常に高いのが特徴です。
不動産評価の視点では、ZEB認証の取得は建物の省エネ性能を客観的に証明する強力なエビデンスとなります。これにより、将来的な法規制の強化やエネルギー価格の高騰といったリスクに対して強い耐性を持つ「将来性の高い資産」とみなされます。実際に、環境性能に優れたビルは一般的なビルに比べて賃料水準が高く設定される傾向にあり、空室率の低下にもつながるため、安定した収益性が見込めます。
また、既存ビルの改修においてZEB化を行うことも有効です。外皮の断熱改修や高効率な空調設備への更新、LED照明の導入といった汎用的な技術を組み合わせることで、築年数が経過した物件であっても、新築ビルに劣らない快適性と環境性能を付与できます。このように、ZEB化による資産価値の向上は、投資家やオーナーにとって中長期的な競争力を維持するための極めて合理的な戦略といえます。
有事の際の継続性の向上
災害時や停電といった非常事態において、建物の機能を維持し続けるためにはエネルギーの確保が不可欠です。ZEB化した建築物は、太陽光発電などの創エネ設備を導入しているケースが多く、万が一系統電力の供給が遮断された際でも、自立して一定の電力を賄うことができます。これにより、照明や通信機器、最低限の空調などを動かし続けることが可能となり、事業の継続性を大幅に高められます。
また、創エネ設備を直接持たない段階の建物であっても、ZEB化による恩恵は無視できません。建物の断熱性能や設備のエネルギー効率が極めて高いため、そもそも建物機能を維持するために必要なエネルギー消費量自体が最小限に抑えられているからです。少ないエネルギーで室温を保ち、効率的に機器を運用できる特性は、限られた備蓄燃料や非常用発電機を長持ちさせることにつながり、有事の際のレジリエンスを強化します。
このような優れた防災・減災性能を持つ建築は、そこに入居する企業の従業員だけでなく、周辺に住む地域住民にとっても大きな安心材料となります。災害発生時には、スマートなエネルギー運用が可能な地域の防災拠点としての役割を果たすことも期待されています。ZEB化は、単なる環境対策に留まらず、社会の安全を守るための重要なインフラ戦略といえます。
BCP(事業継続計画)対策
ZEBの達成に向けて導入される太陽光発電設備などの創エネ技術は、環境負荷の低減だけでなく、企業のBCP(事業継続計画)対策において極めて重要な役割を果たします。地震や台風などの自然災害によって系統電力が遮断された際、一般的なビルでは業務が完全にストップしてしまいますが、ZEB化された建物であれば自立型電源として電力を確保し、事業の継続を維持することが可能です。
具体的には、太陽光発電と蓄電池を組み合わせることで、災害時でも照明や通信機器、PC、さらには最低限の空調設備などを稼働させ続けることができます。これにより、情報の収集や顧客への対応、重要データの保護といった初動対応を迅速に行えるのが大きな強みです。また、ZEBは建物の断熱性能が非常に高いため、エネルギー供給が限られた状況下でも室温を一定に保ちやすく、従業員の安全や健康を守ることにもつながります。
さらに、こうした優れたエネルギー自給能力を持つ建物は、自社の拠点維持に留まらず、地域の避難所や防災拠点として活用することも想定されます。災害時に近隣住民へスマートフォンの充電環境や一時的な滞在スペース、電力を提供できることは、地域社会への貢献となり、企業の社会的責任を果たすことにも直結します。ZEB化は、予期せぬリスクに対するレジリエンスを強化し、有事の際にも揺るがない経営基盤を構築するための有効な手段となります。
ZEB実現の注意点
ZEB実現のためにはいくつか注意点が存在します。
専門知識が必要
ZEBの実現には、建築物省エネ法やエネルギー収支の計算に関する高度な専門知識が必須となります。一般的なビル建設とは異なり、ZEBは建物全体のエネルギー消費量を実質的にゼロにすることを目指すため、設計の初期段階から緻密なシミュレーションを行う必要があるからです。
具体的には、外壁や窓の断熱性能を向上させるパッシブ技術と、高効率な空調や照明を導入するアクティブ技術を最適に組み合わせなければなりません。さらに、太陽光発電などの創エネ設備を連動させ、年間の一次エネルギー消費量を正確に算出する作業が求められます。これらの工程は専門性が高く、自社のみで計画を完遂させるのは非常に難易度が高いのが実情です。
また、ZEBの公的な認証を受ける際にも、複雑な申請手続きや基準の理解が必要になります。ZEBの達成を確実なものにするためには、ZEBプランナーなどの専門家に相談することが推奨されます。ZEBプランナーは、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録された、ZEBの設計やコンサルティングのノウハウを持つ専門家です。計画段階から専門的な知見を取り入れることで、補助金の申請要件を満たしつつ、実効性の高い省エネ建築を実現できます。
初期投資が必要
ZEBの実現には、一般的な建築物と比較して高い初期投資が必要となります。主な要因は、エネルギー消費を最小限に抑えるための高性能な省エネ設備と、エネルギーを自ら創り出すための創エネ設備の導入です。
具体的には、建物の断熱性を高めるための高性能断熱材やLow-E複層ガラス、消費電力を大幅に削減するLED照明、さらには効率の良い空調システムなどの導入費用が挙げられます。これに加え、太陽光発電パネルや蓄電池といった創エネ機器の設置費用も加わるため、建築コストは通常よりも高くなる傾向にあります。
しかし、これらの投資は中長期的な視点で見ると、経営上の大きな利点に変わります。ZEB化した建物は運用段階での光熱費を劇的に削減できるため、数年から十数年のスパンで初期投資の増分を回収することが可能です。また、エネルギー価格が高騰するリスクに対しても強い耐性を持つことができます。
さらに、国や自治体が実施している補助金制度を賢く活用することで、導入時の金銭的負担を大幅に軽減できます。初期コストの高さだけを見るのではなく、長期的な維持管理費の削減効果や資産価値の向上、そして公的な支援策を含めた総合的な収支シミュレーションを行うことが、ZEB化を成功させる鍵となります。
ZEBの4段階
ZEBには達成状況によって、「ZEB(ゼブ)」「Nearly ZEB(ニアリーゼブ)」「ZEB Ready(ゼブレディ)」「ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)」の4つの段階が存在します。
| ZEB | 基準一次エネルギー消費量から再生可能エネルギーを除いて、50%以上を削減して、 基準一次エネルギー消費量から再生可能エネルギーを含んで、100%以上を削減した建物のことです。 |
|---|---|
| Nearly ZEB | 基準一次エネルギー消費量から再生可能エネルギーを除いて50%以上を削減して、 かつ基準一次エネルギー消費量から再生可能エネルギーを含んで75%以上を削減した建築物のことです。 |
| ZEB Ready | 基準一次エネルギー消費量から再生可能エネルギーを除いて、 50%以上のエネルギーを削減した建築物のことです |
| ZEB Oriented | 基準一次エネルギー消費量から、 建物の用途ごとに決められた割合のエネルギーを削減した建物のことです。 A) 事務所等、学校等、工場等は40%以上の一次エネルギー消費量削減 B) ホテル等、病院等、百貨店等、飲食店等、集会所等は30%以上の一次エネルギー消費量削減 また、さらなる省エネのために現状では未評価の技術を導入することが求められます。 |
ZEB Oriented(ゼブオリエンテッド)とは完全なZEB化が難しい大規模な建物を対象とする基準です。具体的には、小学校や病院・ホテルなど延べ面積が1万㎡以上の建物が対象となっています。エネルギー削減量の基準は事務所、学校、工場は40%以上、ホテル、病院、百貨店、飲食店、集会所等は30%以上とされています。
ZEB ReadyとはZEB達成のための準備段階に入った建物のことを指します。太陽光発電設備などの創エネ技術を考慮せず、省エネだけで消費エネルギーの削減率が50%を超えた建物がZEB Readyとして認められます。大型建築物を除いた、ZEBを達成するための最初の段階です。
Nearly ZEBとはNearly(ほとんど)と名前につくように、あと一歩でZEBを達成できる段階に入ったビルに対して認定される基準です。省エネだけで50%以上エネルギーを削減し、再生可能エネルギーによる生産量も考慮して75%以上のエネルギーを削減しているビルがNearly ZEBとされます。
ZEBとは創エネ技術を用いてエネルギー消費量の正味ゼロを達成した建物のことです。具体的な基準は省エネで50%以上を達成し、創エネを含めて100%以上のエネルギー削減量を持つ建物がZEBとして認定されます。建物内ですべての消費エネルギーを賄うことができるので、外部からのエネルギー供給の必要がありません。
ZEBを実現するには
ZEBを実現するには省エネ設備の導入、創エネ設備の導入、BEMSの導入、ZEBプランナーの利用などが求められます。それぞれ説明していきます。
省エネ技術
ZEBを実現するために欠かせない省エネ技術は、建物の設計工夫でエネルギー消費を抑えるパッシブ技術と、最新設備で効率化を図るアクティブ技術の2軸で構成されます。
パッシブ技術は、建物の外皮性能を高めることで、冷暖房などのエネルギー需要そのものを削減する手法です。具体例として、高性能な断熱材の充填やLow-E複層ガラスの採用による外断熱・遮熱が挙げられます。これにより、夏の日射熱を遮り冬の室温低下を防ぐ魔法瓶のような構造を実現します。また、自然光を取り込む昼光利用や自然換気を設計に組み込むことで、照明や換気ファンへの依存度を物理的に下げることが可能です。
一方のアクティブ技術は、消費するエネルギーを能動的に制御し、無駄を削ぎ落とす手法を指します。オフィスビルの一次エネルギー消費において約4割から5割という大きな割合を占める空調設備については、高効率なヒートポンプや変風量制御の導入が極めて効果的です。さらに、全館のLED照明化に加え、人の動きを察知する人感センサーや外光に合わせて明るさを調整する調光制御を組み合わせることで、電力消費を最小限に抑えます。これらの技術を統合し、建物の特性に合わせて最適化することがZEB達成の第一歩となります。
創エネ技術
ZEBを実現するために省エネ技術と並んで不可欠な要素が、エネルギーを自ら生み出す創エネ技術です。ZEBの定義である一次エネルギー消費量の正味ゼロを達成するには、建物内で使用する電力を可能な限り再生可能エネルギーで補う必要があります。
代表的な創エネ手法としては、屋上や壁面を活用した太陽光発電システムの導入が最も一般的です。太陽光発電は都市部のビルでも設置しやすく、近年のパネル性能向上により限られた面積でも効率的な発電が可能です。このほか、地域の特性に応じて地熱利用やバイオマス発電、小規模な風力発電などを組み合わせるケースもあります。
特に注目されているのが、初期費用を抑えて導入できるPPA(電力販売契約)モデルの活用です。これは第三者が所有する発電設備を自社ビルに設置し、発電された電力を購入する仕組みで、メンテナンス負担を軽減しつつZEB化を推進できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
こうした創エネ設備を導入することは、日常的な電気代の削減に直結するだけでなく、蓄電池と組み合わせることで災害時の非常用電源としても機能します。省エネによって建物全体の消費エネルギーを最小化し、その不足分を創エネによって賄うという両輪の取り組みこそが、ZEB達成への確実なステップとなります。
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BEMS
BEMS(ベムス)は、ビル・エネルギー・マネジメント・システムの略称であり、建物内のエネルギー消費を最適化するための重要なITシステムです。このシステムは、照明や空調などの設備稼働状況をリアルタイムで計測・監視し、得られたデータを一元的に管理します。
最大の特徴は、エネルギー消費の「見える化」を実現できる点です。パソコン等の端末上で使用量を把握できるため、無駄な電力消費を特定しやすくなります。
さらに、BEMSは単なる監視に留まらず、状況に応じた自動制御を行う機能も備えています。室温や外光に合わせて空調の出力や照明の明るさを自動で調整することで、快適性を維持しながら徹底した省エネを推進します。ZEBの達成には、こうした効率的なエネルギー運用が不可欠です。
ZEBプランナーの利用
ZEBの達成には、専門的な知見を持つZEBプランナーの活用が不可欠です。ZEBプランナーとは、一般社団法人環境共創イニシアチブ(SII)に登録された、ZEBの実現を支援する専門家のことです。建築設計や設備設計、コンサルティングといった幅広い業務を通じて、ZEB化に向けた最適なノウハウを提供します。
ZEBの実現には、設計段階から高度なエネルギーシミュレーションを行い、省エネ設備と創エネ設備を緻密に組み合わせる必要があります。また、公的補助金の申請を行う際にも、ZEBプランナーの関与が要件となるケースが多いため、業務支援を受けながら計画を練ることで、技術面と資金面の両方から円滑にプロジェクトを進めることが可能です。
改修でもZEB達成は可能?
既存のビルを対象とした改修によってZEBを達成することは、決して不可能ではありません。むしろ、2050年のカーボンニュートラル実現に向けて、国内に膨大に存在する既存ストックの省エネ化は、新築時以上の急務となっています。
改修における大きな特徴は、必ずしも未普及の先進技術を導入する必要がないという点です。実際にZEB認証を受けた改修事例の多くでは、高効率な空調システムへの更新、全館LED照明の採用、窓への複層ガラス導入や外壁の断熱強化といった、既に確立された汎用的な技術が組み合わされています。こうした技術を適切に適用することで、築年数が経過した建物であっても、一次エネルギー消費量を大幅に削減し、ZEB Ready以上の基準を満たすことが可能です。
また、既存ビルの改修は一括で行う必要はなく、設備の更新時期に合わせた段階的な実施も検討できます。ただし、改修によるZEB化には、現状のエネルギー使用状況の正確な把握と、構造上の制約を考慮した緻密な設計が不可欠です。
補助金を活用する場合や、確実な省エネ効果を得るためには、計画段階から専門的な知見を持つZEBプランナーへ相談することが重要となります。改修を通じて快適性や資産価値を高めることは、ビルのオーナーにとっても長期的な経営基盤の強化につながります。
ZEBの認証
ZEBの認証を受けるには前提としてBELSと呼ばれる期間から評価をもらう必要があります。BELSとは建築物省エネルギー性能表示制度とも呼び、名前の通り建築物の省エネルギー量を評価する第3者認証制度です。ZEBの認証を受けるにはまずBELSでBEI(一次エネルギー消費量)0.5以下であることの証明をもらう必要があります。
BEI0.5以下を達成した後はBELSの評価も含めた報告書類を添えて、一般社団法人住宅性能評価・表示協会に登録されたBELS認証機関にZEB申請を行います。その際、補助金を使う場合はZEBプランナーの関与が必須となります。
ZEBの補助金
ここでいくつか環境省が出している、建物のZEB化に使用できる補助金を紹介します。前述したように補助金を利用する場合はZEBプランナーの関与が必須となります。補助金を上手く活用してZEB達成を目指しましょう。
| 事業名 | 業務用建築物の脱炭素改修加速化事業 |
|---|---|
| 事業目的 | • 建築物分野において、2050年の目指すべき姿(ストック平均でZEB基準の水準の省エネルギー性能※の確保)を達成するためには、 CO2削減ポテンシャルが大きい既存建築物への対策が不可欠。 • 外皮の高断熱化と高効率空調機器等の導入加速を支援することにより、価格低減による産業競争力強化・経済成長と、事務所や教育施設など を含む建築物からの温室効果ガスの排出削減を共に実現し、更に健康性、快適性など、ウェルビーイング/くらしの質の向上を図る。 |
| 事業内容 | 既存建築物の外皮の高断熱化及び高効率空調機器等の導入を促進するため、設備補助を行う。 ○主な要件:改修後の外皮性能BPIが1.0以下となっていること及び一次エネルギー消費量が 省エネルギー基準から用途に応じて30%又は40%程度以上削減されること (ホ テル・病院・百貨店・飲食店等:30%、事務所・学校等:40%)、BEMSによ るエネルギー管理を行うこと 等 ○主な対象設備:断熱窓、断熱材、高効率空調機器、高効率照明器具、高効率給湯機器 等 ・設備によりトップランナー制度目標水準値を超えるもの等、一定の基準を 満たすものを対象とする。 ・一定の要件を満たした外部の高効率熱源機器からエネルギーを融通する 場合は、当該機器等も対象とする。 |
| 対象事業者 | 地方公共団体、民間事業者・団体等 |
| 補助金給付額 | 改修内容に応じて定額(補助率1/2~1/3相当) |
| 募集期間 | 令和6年度 |
出典:環境省(一部抜粋)
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業| 事業名 | 地域脱炭素推進交付金 |
|---|---|
| 事業目的 | 「地域脱炭素ロードマップ」(令和3年6月9日第3回国・地方脱炭素実現会議決定)、地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定) 及び脱炭素成長型経済構造移行推進戦略(「GX推進戦略」、令和5年7月28日閣議決定)等に基づき、民間と共同して意欲的に脱炭素に取り 組む地方公共団体等に対して、地域の脱炭素への移行を推進するために本交付金を交付し、複数年度にわたり継続的かつ包括的に支援する。 これにより、地球温暖化対策推進法と一体となって、少なくとも100か所の「脱炭素先行地域」で、脱炭素に向かう地域特性等に応じた先行的な取 組を実施するとともに、脱炭素の基盤となる「重点対策」を全国で実施し、国・地方連携の下、地域での脱炭素化の取組を推進する。 |
| 事業内容 | (1)地域脱炭素移行・再エネ推進交付金 ①脱炭素先行地域づくり事業への支援 2050年カーボンニュートラルを20年前倒しで実現を目指す脱炭素先行地域に選 定された地方公共団体に対して、 再エネ等設備の導入に加え、再エネ利用最大化 のための基盤インフラ設備(蓄電池、自営線等)や省CO2等設備の導入、これら と一体となってその効果を高めるために実施するソフト事業等を支援する。 ②重点対策加速化事業への支援 再エネ発電設備を一定以上導入する地方公共団体(都道府県・指定都市・中核 市・施行時特例市:1MW以上、 その他の市町村:0.5MW以上)に対して、地域 共生再エネ等の導入や住宅の省エネ性能の向上などの重点対策の複合実施等を支 援する。 (2)特定地域脱炭素移行加速化交付金【GX】 民間裨益型自営線マイクログリッド等事業への支援 |
| 対象事業者 | 地方公共団体 |
| 補助金給付額 | 脱炭素先行地域づくり事業 原則2/3 重点対策加速化事業2/3~1/3、定額 特定地域脱炭素移行加速化交付金 原則2/3 |
| 募集期間 | 令和6年度 |
出典:環境省(一部抜粋)
業務用建築物の脱炭素改修加速化事業ZEB事例紹介
最後に実際に環境省のZEBポータルから、ZEBを達成した事例についていくつか紹介したいと思います。
| 建物名 | 久光製薬ミュージアム(久光製薬株式会社) |
|---|---|
| ZEBランク | ZEB |
| 建築物概要 | 都道府県(地域区分):佐賀県 新築/既築:新築 延床面積:687.63㎡ 建物用途:事務所等 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):65% / 103% |
| ZEB化のキッカケ | 創業170周年を記念した事業、自社の理念と環境への取り組みをアピール |
| 解決のポイント | ガラスを多用したデザインと全面Low-Eガラスを用いた熱負荷の軽減によって妥協のないZEBを実現 |
| 利用者の感想 | ガラスを多用した建物ながら夏場でも快適 |
出典:環境省(一部抜粋)
新築ZEB事例| 建物名 | 柏崎海洋センター シーユース雷音(柏崎市) |
|---|---|
| ZEBランク | ZEB Ready |
| 建築物概要 | 都道府県(地域区分):新潟県 新築/既築:既築 延床面積:2,949㎡ 建物用途:ホテル等 一次エネ削減率(創エネ除く/含む):51% / 51% |
| ZEB化のキッカケ | 市の方針に沿うモデルとなる公共施設を探していたところ、設備更新時期を迎えた本施設が合致、エネルギーコストの削減とCO2排出削減 |
| 解決のポイント | 熱源・給湯・昇温システムとしてコージェネレーション、空冷ヒートポンプ、吸収式冷温水機を導入 |
| 利用者の感想 | 改修前は、窓際は寒いという利用者の声があったが、複層ガラスの導入により改善した |
出典:環境省(一部抜粋)
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