野立て太陽光発電とは?設置費用やデメリット、後悔しないための注意点

野立て太陽光発電とは?設置費用やデメリット、後悔しないための注意点

野立て太陽光発電とは、地面に設置する太陽光発電システムを指します。

遊休地を有効活用し、安定した収益を得る投資手法として注目されていますが、高額な設置費用がかかるため、デメリットやリスクの理解が不可欠です。

この記事では、野立て太陽光発電の仕組みやメリット、導入にかかる費用、そして後悔しないために知っておくべき注意点を網羅的に解説します。

Contents

野立て太陽光発電とは?地面に設置する産業用太陽光発電のこと

野立て太陽光発電とは、空き地や農地、山林などの土地に、架台と呼ばれる基礎を設置し、その上にソーラーパネルを載せて発電する設備のことです。

多くの場合、発電した電気を電力会社に売る「産業用」として運用され、個人の住宅屋根に設置するタイプとは区別されます。

地面に直接設置するため、屋根の形状や面積に縛られず、広大な土地に大規模な太陽光発電所を建設できる点が特徴です。

そのため、遊休地を持つ個人や法人が、土地を収益化する目的で導入するケースが一般的です。

屋根設置型太陽光発電との主な違いを比較

野立て型と屋根設置型太陽光発電の最も大きな違いは、設置場所と規模にあります。

野立て型は地面に設置するため、広い土地さえあれば数千kWといった大規模な発電設備も構築可能です。

一方、屋根設置型は建物の屋根スペースに限定されるため、発電容量は比較的小さくなります。

また、野立て型は主に売電による収益確保を目的とする「投資」の側面が強いのに対し、屋根設置型は家庭の電気代削減を目的とした「自家消費」が中心となる点も異なります。

設置費用は土地の造成が必要な分、野立て型の方が高額になる傾向があります。

野立て太陽光発電の仕組みと「低圧」「高圧」の区分

野立て太陽光発電の仕組みは、ソーラーパネルで発電した直流電力を、パワーコンディショナで家庭や送電網で使われる交流電力に変換し、電力会社の電線網へ送電するというものです。

発電設備は、その出力規模によって「低圧連系」と「高圧連系」に区分されます。

出力50kW未満の比較的小規模な設備が「低圧」、50kW以上のものが「高圧」です。

低圧は手続きが比較的簡素ですが、高圧になると、電気を安全に送電するための変電設備の設置が義務付けられるなど、保安規制が厳しくなります。

野立て太陽光発電で期待できる4つのメリット

野立て太陽光発電で期待できる4つのメリット

野立て太陽光発電には、主に収益性、資産活用、投資リスクの観点から魅力的なメリットが存在します。

国の制度に支えられた安定収入や、使い道のなかった土地の有効活用は、土地所有者にとって大きな利点です。

また、他の投資と比較して事業計画が立てやすく、法人にとっては電気代削減やBCP対策としての価値も見出せます。

FIT制度により20年間は安定した売電収入が見込める

野立て太陽光発電の主なメリットの一つは、FIT(固定価格買取制度)によって、一定期間、再生可能エネルギーで発電した電気を電力会社が買い取る制度が利用できる点です。この制度は、国が定めた単価で電気を買い取ることを義務付けるもので、産業用太陽光発電では一般的に20年間とされています。

買取価格は事業認定を受けた年度に決定され、その期間は原則として変動しません。そのため、天候による発電量の変動はあるものの、将来の収益予測がある程度立てやすく、長期的な事業運営の計画に役立ちます。FIT制度は再生可能エネルギーの導入を促進する目的で導入され、安定した電力供給に貢献します。

遊休地や耕作放棄地を収益資産として有効活用できる

活用方法が見つからず、固定資産税の負担だけが続く遊休地や耕作放棄地を、収益を生み出す資産へと転換できる点も大きなメリットです。

太陽光発電は、日当たりさえ確保できれば、地形が不整形であったり、駅から遠かったりといった、他の用途では活用が難しい土地でも設置可能です。

これまで管理コストしか生み出さなかった土地が、20年間にわたり安定したキャッシュフローをもたらす「収益物件」に変わるため、土地所有者にとって有効な資産活用策となります。

比較的低いリスクで年利回り10%前後を目指せる投資

野立て太陽光発電は、投資対象としても注目されています。

FIT制度により20年間の売電収入が予測できるため、株式投資のように日々の価格変動に一喜一憂する必要がありません。

事業計画の精度が高く、金融機関からの融資も受けやすい傾向にあります。

災害などの物理的なリスクは存在するものの、保険でカバーすることが可能です。

こうした特性から、ミドルリスク・ミドルリターンの投資と位置づけられており、表面利回りで10%前後を目標とした運用も現実的です。

【法人向け】発電した電気の自家消費で電気代を大幅に削減

法人が事業所の敷地内などに野立て太陽光発電を設置する場合、売電だけでなく、発電した電気を自社で消費する「自家消費」という選択肢があります。

近年高騰が続く電気料金を大幅に削減できるため、企業のコスト競争力向上に直結します。

さらに、災害などで停電が発生した際にも、太陽光発電があれば事業を継続できるため、BCP(事業継続計画)対策としても非常に有効です。

蓄電池を併設すれば、夜間や悪天候時にも電気を使用でき、より安定したエネルギー供給体制を構築できます。

野立て太陽光発電の導入に必要な費用一覧

野立て太陽光発電の導入に必要な費用一覧

野立て太陽光発電を始めるには、設備購入や工事にかかる初期費用と、運用開始後にかかる維持費の双方を把握しておく必要があります。

特に初期費用は高額になるため、内訳を理解し、適切な資金計画を立てることが重要です。

設置費用や維持費の総額は、発電設備の規模や設置する土地の状況によって大きく変動します。

初期費用の内訳と1kWあたりの価格相場

初期費用は、大きく「設備費用」と「工事費用」に分けられます。

設備費用にはソーラーパネル、パワーコンディショナ、電気をまとめる接続箱、パネルを固定する架台などが含まれます。

工事費用は、土地の造成や基礎工事、機器の設置工事、電力網に接続するための費用(連系負担金)などです。

産業用太陽光発電の価格相場は、2024年の平均設置費用が1kWあたり約24.6万円とされています。例えば50kWの設備を導入する場合、約1,100万円程度の初期費用がかかる計算になります。ただし、設置する面積や容量、設置場所の条件によって費用は変動します。土地の造成が大規模になる場合は、さらに費用が上乗せされます。

運用開始後にかかる維持費(メンテナンス・税金など)

運用開始後も、安定した発電量を維持し、法令を遵守するために様々な維持費が発生します。

主なものに、専門業者による定期点検や清掃、除草作業などのメンテナンス費用、故障した機器の修理・交換費用があります。

また、土地と発電設備に対する固定資産税も毎年かかります。

万一の自然災害に備えるための損害保険料も必要です。

これらの維持費は、年間売電収入の5%から10%程度を見込んでおくと良いでしょう。

野立て太陽光発電で後悔しないために知っておくべき4つのデメリット

野立て太陽光発電で後悔しないために知っておくべき4つのデメリット

安定した収益が期待できる野立て太陽光発電ですが、導入後に「こんなはずではなかった」と後悔しないためには、事前にデメリットやリスクを正確に理解しておくことが極めて重要です。

自然災害による物理的な損害から、近隣住民との関係、制度上の制約まで、事業の成否を左右する可能性のある要素を解説します。

台風や豪雨など自然災害によるパネル破損・故障のリスク

野立ての太陽光発電設備は屋外にむき出しで設置されるため、常に自然災害のリスクに晒されています。

台風の強風でパネルが飛散したり、豪雨によって設置場所の地盤が緩み、土砂崩れで設備ごと流されたりする被害が実際に発生しています。

また、落雷による電気系統の故障や、積雪の重みで架台が破損する可能性も否定できません。

これらのリスクに備えるためには、ハザードマップで土地の安全性を確認するとともに、災害補償を含む損害保険への加入が必須です。

パネルの反射光や景観をめぐる近隣住民とのトラブル

太陽光パネルの設置場所や角度によっては、反射光が近隣の住宅の窓に差し込み、「眩しい」といった苦情からトラブルに発展するケースがあります。

また、これまで田園風景だった場所に突如として大量のパネルが並ぶことによる、景観の悪化を問題視する声も少なくありません。

工事中の騒音や振動が原因で関係が悪化することもあります。

こうしたトラブルを避けるためには、計画段階で反射光のシミュレーションを行い、事前に近隣住民へ丁寧な説明を行うなどの配慮が求められます。

電力会社の要請で売電が制限される「出力制御」の可能性

「出力制御」とは、電力の供給量が需要量を大幅に超えた際に、電力の安定供給を保つため、電力会社が発電事業者に対して一時的に発電を停止するよう指示することです。

この出力制御が行われると、その時間帯は売電ができなくなり、結果として売電収入が減少するリスクがあります。

特に九州や四国など、再生可能エネルギーの導入が進んでいるエリアでは出力制御が頻繁に発生しています。

導入を検討しているエリアの出力制御の見通しを、事前に確認しておくことが重要です。

土地の所有者に毎年かかる固定資産税の負担

野立て太陽光発電を設置すると、土地と設備の両方に税金がかかります。

土地に対しては、地目が田や畑から「雑種地」に変更されることが多く、その結果、土地の評価額が上がり、固定資産税の負担が増加するケースが一般的です。

加えて、太陽光発電設備自体も事業用の「償却資産」とみなされ、固定資産税(償却資産税)の課税対象となります。

これらの税負担は毎年発生するため、事業計画を立てる際には、必ず年間の納税額をコストとして正確に算入しておく必要があります。

導入前に確認すべき3つの重要ポイント

野立て太陽光発電の導入を具体的に進める前に、事業の成功確率を高めるために必ず確認しておくべき重要なポイントが3つあります。

土地の適性、法的な手続き、そして公的な支援制度の有無は、収益性や初期費用に直接影響を与えるため、慎重な事前調査が不可欠です。

太陽光パネルの設置に適した土地の条件

事業の成否を最も左右するのが土地の条件です。

まず、年間を通して十分な日射量が得られることが絶対条件であり、南向きの緩やかな斜面が理想的です。

周辺に山や高い建物など、日光を遮る障害物がないかを確認します。

また、台風や豪雨による浸水・土砂崩れの危険が少ない、地盤の強固な土地であることも重要です。

電柱が近くにあり、電力会社の送電網に接続しやすい場所であると、工事費用を抑えられます。

これらの条件を満たす土地を選ぶことが、安定した発電量を確保する第一歩です。

農地に設置する場合は「農地転用」の許可手続きが必須

田や畑などの農地に太陽光発電を設置する場合、そのままでは建設できず、事前に「農地転用」という手続きが必要になります。

これは、農地を農地以外の目的(この場合は発電所の建設)で使用するために、市町村の農業委員会を経由して都道府県知事の許可を得る制度です。

特に、農業振興地域に指定されているような優良な農地では、原則として転用が認められないため注意が必要です。

許可を得ずに無断で建設すると、工事の中止命令や原状回復命令を受ける可能性があるため、必ず正規の手続きを踏まなければなりません。

農地転用の費用相場と手続きの流れ|許可の条件・できない場合も解説

自治体が実施している補助金・助成金制度が利用できるか

国による産業用太陽光発電への補助金は現在ほとんどありませんが、地方自治体によっては独自の補助金や助成金制度を設けている場合があります。

例えば、地球温暖化対策の一環として、市町村が事業用の太陽光発電システムの導入費用の一部を補助するケースなどです。

こうした制度を活用できれば、高額な初期費用を軽減できます。

導入を検討している土地が所在する都道府県や市町村のウェブサイトを確認したり、直接担当窓口に問い合わせたりして、利用可能な制度がないか事前に調べておくことをお勧めします。

【容量別】野立て太陽光発電の年間売電収入シミュレーション

【容量別】野立て太陽光発電の年間売電収入シミュレーション

野立て太陽光発電でどの程度の収益が見込めるのか、具体的なシミュレーションで確認します。

売電収入は「発電量×売電単価」で決まります。

売電単価はFIT制度の認定年度によって異なり、近年は低下傾向にあります。

例えば2021年度の低圧(10kW以上50kW未満)の単価は12円/kWhでしたが、2024年度は10円/kWhとなっています。

ここでは2024年度のFIT価格を基に、低圧と高圧のモデルケースで年間の売電収入を試算します。

低圧(50kW未満)の場合の年間収入モデル

ここでは、出力49kWの低圧太陽光発電所を設置した場合の収入をシミュレーションします。

年間の発電量は「システム容量×年間日照時間×損失係数」で算出できます。

日本の平均的な年間日照時間は地域によって異なりますが、気象庁の平年値データによると全国平均で1,915.9時間、気象台およびアメダスの平均値は約1850時間程度とされています。ここでは、一例として年間日照時間を1,300時間と仮定し、パワーコンディショナの変換効率や経年劣化などを考慮した損失係数を0.85と仮定します。

計算式は以下の通りです。

49kW×1,300時間×0.85×10円/kWh=541,450円

このモデルケースでは、年間の売電収入は約54万円と試算されます。

高圧(50kW以上)の場合の年間収入モデル

次に出力100kWの高圧太陽光発電所を設置した場合のシミュレーションです。

高圧(50kW以上)の場合、2024年度のFIT価格は9.2円/kWhとなります。

低圧と同じく年間日照時間を1,300時間、損失係数を0.85と仮定して計算します。

計算式は以下の通りです。

100kW×1,300時間×0.85×9.2円/kWh=1,016,600円

このケースでは、年間の売電収入は約101万円と試算されます。

実際には土地の条件や気候によって発電量は変動します。

野立て太陽光発電に関するよくある質問

野立て太陽光発電の導入を検討する際に、多くの方が抱く疑問について解説します。

特に、失敗のリスクや資金調達、メンテナンスに関する質問は、事業を始める上で非常に重要です。

「やめたほうがいい」と聞きますが、失敗する原因は何ですか?

主な原因は、事前の調査不足と甘い収益予測です。

日照条件の悪い土地を選んだり、自然災害や出力制御のリスクを軽視したりすると、計画通りの売電収入が得られず失敗につながります。

悪質な業者による不適切な工事も原因の一つです。

解説したデメリットを理解し、信頼できる業者とともに入念な現地調査と事業計画を立てることが失敗を避ける鍵です。

初期費用はローンを組めますか?自己資金はどのくらい必要ですか?

はい、多くの金融機関が提供する「ソーラーローン」を利用できます。

FIT制度により収益予測が立てやすいため、比較的審査に通りやすいとされています。

自己資金は必須ではない場合もありますが、一般的には初期費用の1〜2割程度を用意しておくと、融資の審査がスムーズに進む傾向にあります。

事業計画書の内容が審査では重要視されます。

メンテナンスは自分でできますか?それとも業者に頼むべきですか?

専門業者への委託を強く推奨します。

パネル表面の洗浄など簡単な作業は自分でも可能ですが、電気設備の点検には専門資格が必要です。

また、広範囲の除草作業は大きな負担となります。

発電効率の維持と設備の安全確保、そして長期的な安定運用のために、メンテナンスは専門知識を持つプロに任せるのが賢明な判断です。

まとめ

野立て太陽光発電は、FIT制度を活用することで遊休地を20年間収益化できる可能性がある、有効な土地活用方法です。

一方で、導入には多額の初期費用がかかるうえ、自然災害や出力制御、近隣トラブルといった様々なリスクも存在します。

成功のためには、これらのメリットとデメリットを十分に理解し、設置場所の慎重な選定、精度の高い収支シミュレーション、そして信頼できる施工・メンテナンス業者の選定が不可欠です。

事業を開始する前には、入念な情報収集と計画立案を行うことが求められます。

ご利用の流れ

1

申し込み


webサイトのフォームから申し込み

流れアイコン1
2

ヒアリング


ソエルクが電話でヒアリング(最初の確認は目安5分)

流れアイコン2
3

ご紹介


条件に合う会社を選び、最大3社をご紹介

流れアイコン3
4

お見積り


各社から直接連絡
見積もり提出

流れアイコン4
安心1 営業電話ではなく
状況整理
安心1 しつこい連絡は
しない
安心1 当日〜1営業日を
目安に順次連絡

ソエルクは自社施工ではなく、紹介・比較モデルのサービスです。条件整理のうえ、地域や条件に合う事業者をご紹介します。