再エネ100宣言re actionとは?参加企業や要件を説明!
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再エネ100宣言re actionとは?
再エネ宣言RE Actionとは、企業、自治体、教育機関、医療機関等の団体が使用する電力を100%再生可能エネルギーに転換する医師と行動を示し、再エネ100%利用を促していく枠組みのことです。参加団体は目標年を定めて、毎年進捗報告を行いながら、遅くとも2050年までに、再エネ100%を目指します。
RE100との違い
似たような再エネ100%を目指す国際的な枠組みにRE100が存在しますが、二つの違いは対象とする企業の違いです。RE100は参加条件がかなり厳格で、年間電気消費量が100GW以上(日本では50GW以上)の企業を対象としているので、日本でも大手企業しか参加は難しいです。
一方で、再エネ100宣言re actionは、特に電力消費量による制限はなく、主に中小企業を対象とした国内の枠組みです。RE100では少なくとも2030年までに60%達成と、2040年までに90%達成を中間目標として決められていますが、再エネ100宣言re actionでは中間目標の設定は任意です。
参加団体数
再エネ100宣言re actionが出している年次報告書によると2025年10月時点で、参加団体数は385団体です。業種としては、製造業や小売業が増加していて、全体の半数が製造業と建設業となっています。
再エネ100%達成団体
2024年度は106団体が再エネ100%を達成しました。2021年度は45団体、2022年度は73団体、2023年度は96団体が再エネ100%を達成しており、年々再エネ100%を達成する団体は増えています。
参加要件
公式のHPに乗っている参加要件を抜粋しながら紹介します。
①2050年までに消費電力100%再エネに転換する目標を設定して、対外的に公表すること。
・参加団体自身のウェブサイトへ宣言内容を掲載してください。プレスリリース等 の実施を推奨。
・再エネ100%達成目標年が2030年以降の場合は中間目標を設定し、2030年60%以上、2040年90%以上としてください。
②消費電力量、再エネ率の進捗を毎年報告すること
・再エネの定義はRE100における定義に基本的に準拠します。
・年次報告書等で消費電力量と再エネ電力量の全団体集計値、各団体の再エネ率を公表します。
③再エネ拡大に向けた政策提言へ積極的に参加すること
・可能な範囲で再エネの普及に関する政策提言への賛同や調査への協力などをお願いします。
参加費
参加費は以下の表のとおりになっています。
企業
| 従業員数 | 年額 |
|---|---|
| 10人以下 | 25,000円 |
| 11人以上300人以下 | 50,000円 |
| 301人以上500人以下 | 75,000円 |
| 501人以上1,000人以下 | 100,000円 |
| 1,001人以上 | 200,000円 |
| 投資法人 | 200,000円 |
行政・公共機関
| 区分 | 年額 |
|---|---|
| 中央省庁・都道府県・政令指定都市 | 100,000円 |
| 上記以外の行政機関・公共機関 | 50,000円 |
非営利団体(学校法人、社会福祉法人、医療法人、消費生活共同組合など)
| 従業員数 | 年額 |
|---|---|
| 10人以下 | 25,000円 |
| 11人以上300人以下 | 50,000円 |
| 301人以上500人以下 | 75,000円 |
| 501人以上 | 100,000円 |
企業が参加するメリット
再エネ100宣言に参加することは、企業の社会的な責任(CSR)を果たすというだけでなく、様々な経営上のメリットが存在します。順番に説明していきます。
企業のブランドイメージがアップする
再エネ100宣言に参加し、ホームページなどに脱炭素への取り組みを掲載することで、自社ブランドを利害関係者にアピールすることができます。環境への取り組みは環境意識の高い消費者の興味関心を引き、売り上げ増加につながります。また、脱炭素を意識した取り組みは、ESG投資家の評価を受けて資金獲得のチャンスに繋がります。
脱炭素コミュニティの参加や交流ができる
「脱炭素コンソーシアム」という、JCLPとRE Actionの参加メンバーで構成されるコミュニティーが存在します。再エネや脱炭素化に関する課題や知見・ノウハウを共有したプラットフォームで、情報交換やビジネスマッチングが可能です。再エネ100宣言 RE Actionが主催するイベントに参加することで、参加企業同士の交流をすることができます。
再エネ・省エネ補助金の優遇が受けられることがある
再エネ100宣言 RE Actionに参加することを要件とする地方自治体(都道府県)独自の補助金制度があります。例えば、鳥取県再エネ100宣言 RE Action推進事業補助金では再エネ100宣言Reactionに参加することを必須とする、企業の脱炭素化を支援する独自の補助金制度です。
再エネの調達方法
再エネ100宣言 RE Actionの目標である二酸化炭素排出量を正味でゼロにするという目標を達成するには、設備の省エネ化や再生可能エネルギーの導入が必要です。再生可能エネルギーの導入方法には、大きく太陽光発電など再生可能エネルギー発電施設を導入する、再エネ電力メニューに登録する、再エネ証書を購入するの3つ存在します。順番に説明していきます。
太陽光発電の導入
太陽光発電の導入は再エネ100宣言公式のアンケートによると2024年の再エネ電力の調達方法の中で、再エネ電力契約と並び最もオーソドックスな方法です。太陽光発電を導入して、発電した電力はそのまま自社で消費することで再エネ使用量となります。また、自社で所有しないPPAモデルでの太陽光発電の導入も再エネ使用量に入ります。近年は自社敷地外に発電所を建てるオフサイトPPAや、電力の直接給電をせず環境価値だけを供給してもらうバーチャルPPAなど地理的な制限に縛られない多様な選択肢が存在します。
再エネ電力メニューの契約
再エネ電力メニューは太陽光発電の導入と同じく、2024年度の再エネ調達法の中で最も多く取られた手段の一つです。再エネ電力メニューとは電力会社が提供する契約プランで、再生可能エネルギーやその環境価値を組み合わせて提供することで、太陽光発電所など再エネ施設を導入しなくても、実質二酸化炭素排出量を0にできるメニューです。電気料金は従来と同じか少し高いぐらいの値段設定ですが、補助金の対象になる場合も発生します。
再エネ証書の購入
再エネ証書とは、Jクレジット、グリーン電力証書、非化石証書などの環境証書のことです。環境証書とは、再生可能エネルギーが持つ、二酸化炭素を排出しないという環境価値を証書化して取引可能にしたものです。再エネ電力や再エネ発電施設の導入がなくても、再エネ証書を購入することで、再エネ使用量として認められます。
再エネ証書の購入法は、仲介業者に依頼する方法や再エネ価値取引市場で購入するやり方、証書発行事業者に申し込む場合もあります。また、再エネ電力メニューに環境証書が組み込まれている場合もあります。
再エネ以外の脱炭素への取り組み
二酸化炭素排出量をゼロにするためには、再生可能エネルギーの導入の他に事業所の省エネも重要になります。省エネは消費する電力量を減らし、脱炭素へ近づくとともに、電気代の節約にもなります。
LEDへの切り替え
蛍光灯や白熱電球をLEDに切り替えると、約8割ほど消費電力が削減できるといわれております。環境負荷の低減や電気代の削減のほかにLEDは発熱量が少ないので、室温の余計な上昇を抑え快適な空間を作り上げてくれます。2024年度の再エネ宣言100のアンケート調査ではLEDへの切り替えが最も実行された、省エネへの取り組みでした。
高効率空調や断熱材を利用する
LEDを除いた設備の省エネ化も、脱炭素への取り組みとして多くとられた行動の一つです。省エネ設備とは具体的に、高効率空調、高効率給湯器のようなエネルギー効率の高い設備を指します。建物を断熱性能の高い壁に変えることも、空調の使用を抑えることができるので、省エネになります。
デマンドコントロール装置の導入
デマンドコントロール装置(デマコン)とは、オフィスや工場などで電力使用量をリアルタイムで監視して、設定した目標値を超えそうな場合に警告を発したり、エアコン照明などの設備を一時停止させたりすることで、最大需要電力を抑え、電気代の削減に貢献する省エネシステムのことです。デマンドとは、30分間という区切られた時間での平均使用電力(kW)のことです。
多くの電力会社ではデマンドをもとに電気料金が設定されており、月間、もしくは年間で最も高かった電力使用量がその後の電気代の基本料金を決定します。そのため、デマンドを抑えることができるデマコンは省エネや電気代の削減においてかなり役に立ちます。
再エネ導入事例紹介
企業や自治体の再生エネルギー調達事例を紹介します。
リコーユース株式会社
リコーリユース株式会社は東京都にある、不動産や物品賃貸業を営む会社です。2012年度から太陽光発電事業者に対する投資を行い、2018年からはさらなる環境貢献を目的に自らが事業者として太陽光発電事業を展開し、現在は全国に600サイトを超える太陽光発電所を全国に保有しています。
2023年度からは自社が所有している太陽光発電所由来の「トラッキング非FIT非化石証書」を調達し、自社のオフィスに環境価値を適用することで再エネ使用率100%を達成しています。その他にも、一般企業に向けた非化石証書の代理購入サービスや環境負荷低減につながるサービスも積極的に提供しています。
エコーワークス株式会社
エコーワークス株式会社は福岡県福岡市にある、地域工務店です。2015年-17年、COP21・COP23視察をきっかけに再エネ100の取り組みを開始しました。2020年、再エネ100宣言RE Action へ参加し、再生エネルギー100%を達成し継続し続けています。本社の事業所はZEB(ゼロ・エネルギー・ビルディング)を達成しており、太陽光45KWを設置し、再生エネルギー100%電力メニューやEV・V2Hも導入しております。また、非化石証書の購入も行っています。
東京都武蔵野市
進行する気候変動問題に取り組むため、武蔵野市では令和3年2月に2050年度までに温室効果ガス実質ゼロを目指す、2050年ゼロカーボンシティ」を表明しました。武蔵野市はこれまでもエネルギー地産地消プロジェクトとして、公共施設に建設した太陽光発電で発電した電気や、ごみ処理場でごみを燃やした熱でバイオマス発電した電気を市役所本庁舎やその周辺の公共施設にや市内の小中学校に送っていました。
現在はさらに環境面を重視し、令和5年からは市庁舎や小中学校などの公共施設で実質再エネ100%電力の導入を始めました。令和6年以降はさらに対象となる施設を増やし、市内のほとんどの公共施設で実質再エネ100%電力に切り替えています。
まとめ
再エネ100宣言 RE Actionは、遅くとも2050年までに再生可能エネルギー100%を目指す、国内の中小企業に向けた枠組みです。RE100と違って年間消費電力による参加企業の選別は行っていません。参加することで、脱炭素への取り組みのHPの掲載や毎年の進捗報告の義務が発生しますが、企業イメージの向上や他企業との交流機会の創出、ESG投資による資金調達の可能性といったメリットが生じます。
参加団体は年々増えており、太陽光発電等の再生可能エネルギー発電施設の導入や、環境証書の購入、省エネ設備への切り替えといった方法で再エネ100を達成していってます。
産業用・分譲型太陽光発電リサーチ
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